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7月12日(1997年) 雨中の勝利、ルーキーの連続ゴール、3連勝。でも…

 試合の写真を撮っていたころ、アウェイの雨は特に嫌だった。車で行ければいろいろ装備なども持てるが、電車だとそれにも限界がある。
 試合が終わったらペン記者になり、記者会見で監督の話を聞き、ミックスゾーンで選手を取材しなければならない。ホームゲーム、つまりMDPの発行日がだいぶ後ならば、選手の取材を省略できるが、そうではないことが多い。

 濡れた機材をなるべく早く片付けたいが、記者会見もミックスゾーンも待ってはくれない。機材をざっと拭いただけで次の作業に移らなければならない。ただし濡れた体で会見場やミックスゾーンに行くのは憚られるので、最低限の着替えは必要だ。
 ペン記者とカメラマンを兼務していると、ふだんからも忙しいのだが、雨の日はそれに拍車がかかった。
 しかも、この日は延長~PK戦のフルコースだったのだ。
 
 1997年7月12日(土)、浦和レッズは西京極運動公園陸上競技場に乗り込んで、京都パープルサンガとJリーグ1stステージ第15節を行い、1-1のあとPK戦で勝利した。

前節初得点の永井が連続弾

 この年は、リーグ戦が開幕するとレッズはアウェイで勝ててもホームで勝てない、という時期が続きサポーターの不満が爆発したこともあった。
 しかし5月28日の柏レイソル戦でホーム初勝利を挙げるとその傾向は終わり、この京都戦はシーズン初めての2連勝を挙げて臨んだ。そして前節のヴェルディ川崎戦で、ルーキーの永井雄一郎がJリーグ初ゴールを挙げていた。

 かなりの雨だった。ボールは転がらず、選手は転ぶ。当然ながら双方、ロングボール主体の試合になる。サッカーの面白さが半減するような内容だったが、それよりも勝負の方が大事。後半に入り、58分に永井が先制ゴールを挙げた。2試合連続ゴールだ。
 しかしその2分後、京都にCKから同点にされる。その後はスコアが動かず延長へ。雨は降り止まずピッチにたまった水は増えるから、ますますサッカーにならず、1-1のまま120分を終えた。

MDPから

GK田北が止めてPK戦に決着

 レッズが先蹴りのPK戦は、3人目まで両チーム成功。4人目両者が外し、京都の5人目を、試合中も好セーブを見せていたGK田北雄気が止めて4-3で勝利した。実は失敗したレッズの4人目はその田北だったのだが、その影響を感じさせない5人目のシャットアウトだった。

 ルーキーの2試合連続ゴール。雨中の勝利。今季初のPK戦にGKの活躍で勝利。ステージ終盤ではあるが3連勝。試合直後はMDPに載せる文言が浮かび、2ndステージに向けて期待が盛り上がったが、とにかく濡れたものを片付けてホテルに戻らないと何もできなかった。

 さて、みなさんは1997年7月12日、何をして何を感じていましたか?

【あの日のわたしたち~浦和レッズ30年~】は、レッズサポーターのみなさんから投稿を募っています。浦和レッズ30年の歴史をいっしょに残していきましょう。詳しくはマガジン「あの日のわたしたち~浦和レッズ30年~」のトップページをご覧ください。


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