<おまけ>お客さんに、心の準備してもらってますか?

お店で店員さんに話しかけられたくない人って多いみたいですね。
この間、たまたま見たアンケート調査では「ショッピングなどで接客されたとき、どれくらい店員さんと話しますか?」というアンケートで、38%が「話しかけてほしくなくて消極的な態度をとる」、さらに14%が「消極的な態度をとる」と答えていました。

私も話しかけられるのは苦手です。
でも、店員さん全員がダメということではないんですよね。たまに話しかけられても気にならない店員さんもいますし、逆に、とっても困る店員さんもいます。

困る店員さんにはいくつか特徴があります。
たとえば、間が悪い、そして、情報量が多い。

たまたま目についた服に近付くと、途端に目敏く見つけて、「それ、かわいいですよねー。人気なんですよ、色違いもありますよ〜、ご試着もできますので」と怒濤のように話しかけてきます。
気になってよく見ようと近付いたところで、こんなにたたみ込まれるとちょっと困ってしまいます。まだ細かいところも見れていないのに、かわいいかどうか分からないし、いきなり、そんなにたくさんの情報をもらってもどれに返事していいか、脳内は軽くパニックに。
「そうですね〜、ありがとうございます」とサラッと交わせばいいのですが、もう私みたいな小心者は一度、脳内パニックが起きたら、その後はプレッシャーでゆっくり他の服も見られなくなります。

逆に、話しかけ上手な店員さんはどうでしょうか。
手にとって素材やら値札やらをチェックし、身体に当ててみたり、自分の手持ちの服を考えたりして、「どうしようかな」と迷っているような頃合いで声をかけてくれます。
そして、こちらの質問に答えるかたちで「先日、入荷したばかりなんですけど、Mサイズは後これだけなんです」などと必要な情報を知らせてくれます。
そして、どうしようかなと考え始めたところで、「ご試着どうですか?」と声をかけてくれます。

私が大学生の頃に習った内容なのですが、AIDAとか、AIDMAとかいうモデルがあります。モデルというと仰々しいですが、買う人の心理にもステップがあるということです。

Attention(注意)
まず「なんだろう?これ、こんな商品があるんだ」と注意を向ける。

Interest(関心)
次に、「いくらぐらなのかな?どんな種類があるのかな?」と関心を持つ。

Desire(欲求)
そして、「いいじゃん、これ。使えそう」と欲しくなる。

Action(行動)
最後に、「よし!買うぞ!」と行動に移す。

この頭文字をとって、AIDAです。
間に「Memory(記憶)」がはいって「欲しいのはこのブランドね」と覚えるステップを数えることもあります。そうするとAIDMAです。
他にもAISASとか、色々ありますが、要は、買うまでには考える順番があるということです。

自分の買物を思い返してみると、ひとめ惚れして即決ばかりではなく、やっぱり、こういうように、どうしようかなと迷うプロセスを経ていることは多い気がします。
こんな古い知識を引っぱりだすまでもないかもしれませんが、お客さんは買う前に必ず心の準備をする時間が必要なのです。

接客の上手な店員さんはこの、お客さんが心の準備をする時間をちゃんと、つくっています。店員さんのペースではなく、こちらが求めているタイミングでサポートしてくれるので、自然と買ってみようと思えるのですね。

焦っているつもりはなくても、「良さを知ってもらわなくちゃ!売らなくちゃ!」ということで頭が一杯になっていると、お客さんと見るや、いろいろ伝えくなってしまいます。
でも、そんな時はひと呼吸。お客さんが「おもしろそうだな」「欲しいな」と考える余裕をちょっとあげてみてはいかがでしょうか。

お客さんが買おうと心を決めるまでって、結構、時間がかかります。
安くて何度も買うものならともかく、高いものだったり、滅多に買わないものだったりを買うときに慎重になるのは当然のこと。
まずは落ち着いて、今がどの段階なのかを観察してみるのが結局はいちばんの近道だと思います。

お客さんが、自分で考えて買うことを決めると、納得感も高まります。「ちょっと色は気になるけど、安かったから、まぁいいか」というのと、「いろいろ言われて勢いで買っちゃったけど、やっぱり変な色」というのでは大違い。

良い買物をしたなと思ってもらうには、心の準備をしてもらうこと。
真面目にがんばっているときほど、忘れずにいたいと思います。




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