広告主が考えなければならない2つのこと

広告の仕事は2つの話が同時進行で進んでいきます。

「どこに載せるか」と「何を載せるか」です。

どちらも答えは無数にあります。
ですから、広告主が「ひとつ適当によろしく」と発注先に丸投げしてしまうと、話が進みません。

右も左も分からない担当者さんは、代理店や媒体、制作会社から指示をあおがれると困ってしまうかもしれません。でも、そんな時は相手も困っているのです。

では、「どこに載せるか」と「何を載せるか」について、どういう答えを持っておけばよいのでしょうか。

(1)どこに載せるか

まず、どこに載せるかから考えてみましょう。

たとえば、化粧品の広告を雑誌に載せるとします。

雑誌にも女性誌、男性誌、一般誌、専門誌、たくさんの種類があります。
化粧品の広告は女性誌と男性誌だったら、どちらに載せたらいいでしょうか。

答えはこちらの図を見てください。

画像1

答えは、その化粧品を買う人が見る雑誌です。ですから、女性向けの化粧品なら女性誌、最近は男性向けのスキンケア商品なんかもありますから、そういうものだったら男性誌です。

買ってほしい人が見ないところにいくら広告を載せても効果は出ません。

若者向けのプチプラ商品なら若者向けの雑誌に、マダム向けならマダム向けの雑誌に。同じ料金の掲載枠でも、商品のターゲットと媒体の読者層が重なっているほど広告の効果は大きくなります。

ターゲットというのは、年齢、性別、所得といった属性だけで表されるとは限りません。たとえば、オーガニックコスメだったら、ナチュラル志向の人がターゲットになるでしょう。オールインワンの便利なコスメだったら、忙しくてメイクに時間がかけられない人がターゲットです。

広告する商品をどんな人に買ってほしいのかによって、効果の出る媒体が変わってくるのです。

ですから、広告主が考えるべきことの1つめは「どんな人に買ってほしいのか」です。そして、「買ってほしい人が見るところはどこか」を考えれば、どこに載せるかが決まります。

これは基本的に広告主にしか分からないことです。
同じ商品でも、タイミングによってターゲットは変わります。たとえば、以前は敏感肌向けを強調していた商品を、ファミリー向けへの売り込みを強化するように方針を変えるといったような具合です。

この広告をして、どんな人により多く買ってほしいのかという情報は会社が内部の方針として決めることですから、外部の代理店や媒体は知りようがありません。

そのために、本格的な広告の仕事ではオリエンテーションといって、この広告にどういうことを望むのかを広告主からプレゼンテーションすることもあります。どんな人に買ってほしいのかというのは、とても重要な情報なのです。

(2)何を載せるか

「何を載せるか」も基本的には同じ考えです。

たとえば、色んな特徴を持ったシニア向けケータイがあります。さて、どの特徴を強調して、どんなコピーや写真を使えばいいでしょうか。

こちらも答えは買う人が決め手にするポイントです。
機能がたくさんあっても分からない、字が大きくて見やすくて、ボタンが押しやすい方がいい。そんな人にいくら、「データ通信の速度が早い」「なんとかアプリと連携して何とか機能が使える」と説明しても、聞き流されてしまいます。

それよりも「ボタンがひとつで孫と話せる」といったように買う人が気にするポイントを押さえて宣伝した方が、広告の効果がありそうだと思いませんか。

そうと決まれば、写真も「ボタンが少なくて分かりやすい操作画面」や「孫と楽しそうに話すシーン」がいいでしょうし、コピーは使いやすさを全面に押し出した内容が合理的です。

ですから、広告主が示すべきなのは「買う人が何を気にする人なのか」です。

まとめ

「どんな人に買ってほしいのか」

「買う人が何を気にする人なのか」

この2つが整理できていれば、きっと前よりもスムーズに仕事が進められるはずです。






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