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ケロヨンとお釜ドライヤー
子どもたちと絵本『パンダ銭湯』を読んで思い出したことがある。
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昔、大阪天王寺のおとなり寺田町に住んでいた頃
(当時は駅前の無断駐輪日本一だったそう笑)
下町で、私はよく銭湯に行くのが好きでした♨️
ある日、大浴場へ入ってみると私ともうお一人だけ。
私はケロヨンの洗面器が置いてあるイスに座って、じゃぶじゃぶとシャンプーで洗髪をし始めました。
すると湯船からバッシャーンとおばちゃんがやって来て
「ちょっと姉ちゃん!ここ予約してたんやで!」と。
「ごめんなさい、知らなくて」とシャンプー頭で謝ると
「常識でっす!」と洗面器を持ってゆかれました。
きっと、お気に入りの席だったのでしょう。
“洗面器が置いてあるところは予約席”
という銭湯の常識を教わりました。
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しばし湯船であたたまり、脱衣所に出てみると
おばちゃんはソファーに座って
ヘルメットタイプのお釜ドライヤーを
頭にかぶってリラックスしていました。
私は失礼のないように、そうっと着替えていると
「ちょっと姉ちゃん!」という声。
ドキドキしながら振り返ると
「ドライヤーまだ残ってるから使い!」と。
どうやらおばちゃんの短いパーマヘアは速攻で乾き、まだコインの残り時間がある様子(5分30円とか)でした。
私がためらっていると、
「もったいないから、早う!」と急かされ、
めでたくお釜ドライヤーデビューを果たしました。
私の長い髪はお釜ドライヤーの風で
びゅおう〜びゅおう〜と飛び交って
時間でスイッチが切れたときには
メドゥーサみたいになってました。
常識と初体験を教えてくれたおばちゃん、ありがとう!
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ライフストーリーを綴ってきましたが、
大阪にはやさぐれてない思い出もたくさんありますよ。笑
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バリ島ウブドに住んでいます。
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望月さゆり
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