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諦めきれない日々

イラストファイルの整理をしていて、どうでもいいようなイラストなのにやたら重いファイルがゴロゴロ……。当時はイラストって印刷をメインに考えてたから、やたらデータが重くなってた。そう、これはあの頃の産物だ。

仕事が鬼忙しかった20代前半、私は雑誌の編集部にいました。あまりの仕事のできなさに、毎日どころか毎分怒られてた記憶しかありません笑。
平日は家で寝るだけ、土日仕事しても終わらず(働き方改革の前の話です)。何でこんなことしてるんだ、本当は漫画を描きたかったはずなのに?と思ってペンタブレットを買ったけど、当時付き合ってた人からは「下手」「面白くない」「センスない」と、とにかく否定。でもさぁ、私が幼稚園の頃から、お母さんに「絵を描く仕事だけはやめなさい。才能はない」って言われてたから、本当はその通りなのかもしれない。子供の時、漫画を描いていると怒られたもんです。おかげで今でも絵を描くときは左手で隠すし、描いてるところを人に見られると、怒られる気がして緊張してしまう。大人になったから、あの人やあの人がそう言ってた気持ちもわかるけど、今でも昨日のことのようにしっかりムカついているんだよ。

結局編集部は辞めることになって、唯一話せた上司に「いつか絵を描く仕事がしたい」と話しました。仕事が嫌で辞めるのが一番の理由なのに、絵を描きたいと言うのは逃げてる気がして、会社の人には誰にも言ってなかったから「絵?!…意外!」ってめちゃくちゃ驚かれたけど、あなたが応援してくれたことは一生忘れないです。
でもそのあとまた別の仕事に転職しちゃって、気仙沼に来ることになって。さすがにもう絵や漫画を描く仕事になんかつけないだろ〜って薄々思いはじめていました。

それから、引き続き誰にも褒められないし、求められないけど、それでも私は勝手に描き続けるしかなく……とかって、一見かっこよさげだけど、これが全然なんにもかっこよくないんだなー。だって私、結局絵がめちゃくちゃ下手なんだもん!これで絵がうまかったらかっこいいんだけど……そこがやっぱり私なんですよ。
でも気仙沼に来てからは自分の時間が増えたので、たまに描いたりして。なのにその頃のクソ下手な状態がなんか面白いって言って「仕事で描いてみない?」と誘ってくれたデザイナーさんがおりました。あなたのことも一生忘れないですよ。

そんな感じで、私が仕事で絵を描くようになったのは30過ぎてからでした!
賭ける要素ゼロの私を応援してくれた、稀有な方々のおかげです。

センスもないし、面白くもない。それはもう過去に幾度となく言われてきて、悔しいけどおっしゃる通りなんです。前よりマシになってると思うけど、絵の上達も遅くて嫌になる。
でも辞めないだけ。「辞めないのも才能」と、かっこよく言えるものでもありません。いつまでも往生際悪く諦めきれないだけ。絵を描いたり漫画を描いたりするのが好きだから、ただ辞められないだけなのです。その上まだどこかで、自分の中に「何か」あるんじゃないか?と思ってる。それが勘違いでも、せっかくなら死ぬまで勘違いして辞めずにいたいな。

きっと身近な人に褒められたり支えられたりした人はもっと早く伸びると思うので、若いうちからやりたいことを信じて頑張ってほしいです。
好きなことを周りから褒められて育てられる若い人は、正直「グギギギ…」って悔しいほど羨ましい!若くて時間も体力もあるじゃないですか?いいなぁ、ってため息しか出ません。
だからといって、年取ってから好きなことを始めたって全然いいと思うんですよ。なんか、今こそ、そういう同志を応援する番だ!って急に深夜に思いました(今3:00)。最近はその方が良いとさえ思い始めてます。人や環境に恵まれた人だけが幸せになれる映画のストーリーなんて面白くも何ともないじゃん。才能のなさも、クソみたいな環境も、良くも悪くもない普通のモブキャラの人生も、個性だと言い張って、おばさんになっても何も諦めないでいようじゃあないか。頑張ろう、今日も一緒に。

(布団に入ってるイラストは多分、15年前に描いたやつです。上達していないのが悔やまれる笑)

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