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《ヴェーゼンドンク歌曲集》訳詩──4.痛み

太陽よ、お前は毎晩泣く
美しい目を赤くして
海の鏡に沈みながら
早い死がお前を捉える時

それでもなお、古い華やかさの中からお前は甦る
薄暗い世界の栄光よ
お前は朝に新しく目を覚ます
誇りを持った勝利の英雄のように

ああ、それをいかに私は嘆くべきだろうか
どのように、私の心は激しく、お前にあこがれるか
太陽はそれ自身ひるまなければならないのか?

そして死だけが生を産み
痛みだけが至福の歓びを与える
ああ、いかに私は感謝しよう
その自然が、私に、痛みを与えてくれたことを




6/23に演奏する、
ワーグナー作曲《ヴェーゼンドンク歌曲集》。

その訳詞を、
一日一篇ずつ掲載していきます。


第4曲「痛み」。

原題は"Schmerzen"とあり、
この語は「悲しみ」も指します。

時系列でいうとちょうど真ん中、
3番目に制作された歌曲です。

壮大な苦しみを思わせる前奏から、
まるで英雄の死を嘆く戦乙女のような歌唱が続きます。

全5曲中でもっとも外への表出が強い「痛み」。

最後にはファンファーレのようなピアノが、
高らかに感謝を歌い上げます。




演奏は、ジェシー・ノーマンです。






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