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蘭州牛肉麺を食べながら

前略、華さん。お元気ですか?

いま、蘭州牛肉麺を頼みました。

蘭州牛肉麺をご存じですか? 「蘭州拉麺」という名称の方がメジャーですが、ついつい蘭州牛肉麺と呼んでしまいます。ちなみに、牛肉麺と書いて「ニュウロウメン」と読みます。

数十種類のスパイスの入った牛骨ベースの透明なスープに、パクチーと薄切りにしたニンニクの芽、そしてやっぱり薄切りにした牛肉と大根を具にした、蘭州発祥の麺です。自家製の辣油もかかっています。

お店にもよりますが、目の前で職人さんが好みに合わせて麺を打ってくれます。麺の種類は少ないところでも6種類、多いところだと10種類近くあります。私が好きなのは、「ニラの葉麺」といって細めのきしめんのような平べったい麺です。

この打ち立ての麺が、辣油を混ぜた牛骨スープとよく合うのです。食べ進めるうちに、テーブルの上の黒酢を加えるのもおすすめです。

とっても美味しい蘭州牛肉麺。仕事の後の楽しみに、たまに足を運びます。美味しいなあ、美味しいなあ、とひとり頭の中でつぶやきながら、汗だくになって食べ進めます。地味に好きな時間のひとつです。

なんで、蘭州牛肉麺を前にしながら、華さんに公開でのお手紙のようなエッセイを書いているかというと、私の場合は練りに練りこんだ文章では自分らしさはまったく伝わらないと気付いたからです。そんなわけで勢いをつけようと、いまはすこしビールも飲みました。ほろ酔いでいい塩梅になっています。

一見するとカオスに見える状況から浮かび上がってくるもの、滲み上がってくるものを、まっすぐに伝えてみたい。そう思ったのです。そこに個性ってものが滲み出てくるって信じながら書いています。




そうこうしている間に、蘭州牛肉麺を食べ終わりました。帰宅して、シャワーを浴びました。セブンイレブンのレモン味の炭酸水を開けました。ようやく画面にゆっくり向き合えました。

人によって、書いていくスタイルは違うと思います。私の場合は、あれこれ考えた後に全てを手放して、フリースタイルで書いていくのが性に合っているような気がします。

先日書き上げた小説も同じです。登場人物たちにインタビューするような心持ちで書いていきました。これからあなた達どうするの? と訊ねたり。思いもよらない過去を登場人物たちが打ち明けてくれたのを、インタビューライティングの要領でまとめていったり。自分が作り出したというよりも、友達の話を聞きながらひとつの記事をまとめていくような感覚でした。

生業にしている歌も同じです。ただただ、ダウンロードして、自分を通過させて、アウトプットしていく。その繰り返しです。

それだと個性は生まれないのではないかと問う人も過去にいました。けれど、通過させているのが私というひとりの人間である以上、どうしたってそこに個性は滲んできてしまうのだと思います。そう信じて生きています。

華さん、個性というのは、茶葉の違いのようなものだと私は考えています。ほうじ茶か、緑茶か、カモミールティーか、ルイボスティーか、茶葉によって味わいは様々です。同じお湯を注いで、同じカップに注いでも、茶葉によって違ったお茶になりますよね。個性って、そういうものじゃないかと考えています。

茶葉の違いは、生まれつきのもの。ほうじ茶に生まれついてしまったのなら、カモミールティーを羨んでも詮無いことです。でも、茶葉の品質を上げていくことは、自分の努力次第でどうにでもなります。あと、お湯の温度を調節したり、茶器を選ぶことも、自分のセンスを磨くことによって技術を向上させていけます。

こういうこと、毎日たくさんの方々の言葉に触れていて、言葉を仕事にしておいでの華さんなら、きっと百も承知だろうと思います。だから、凄まじい熱量をもって、大量のお湯を沸かして、みんなの茶葉に注ぎ入れる準備をいつでも整えてくださっているのだろうとも感じています。めちゃくちゃすごいことです。

このnoteコンテストも、その一環だと感じています。

今回のお題「なぜ、私は書くのか」、大きすぎてまだ答えは出ません。でも、この手紙のようなエッセイを書いたのは、文字越しでしかお話をしていないけれど、華さんのことが好きで、尊敬していて、感謝を伝えたかったからです。言葉にすると、めちゃくちゃ照れますね…!!! わあ!!

昨年、旅先の仙台で華さんのご本と出会ってから、私の人生は少しずつ変わり始めています。Twitterのアカウントをフォローして、お片付けのモチベーションを上げているうちに、編集者としての華さんのアカウントでの発信も知りました。そして、今に至ります。いつも、本当にありがとうございます。

いつかご一緒に仕事を出来るような物書きになりたいです。いや、なります。その日を目指して、熱く、冷静に書き続けていこうと思います。

それを有言実行しようと思って、勢いで熱く書き上げたこのnoteをあらためて編集しています。華さんが教えてくださった圧縮作業を、ちまちまと続けていこうと思います。


長くなりました。ここまで読み進めてくださって、ありがとうございます。

最後に、私がよく行く蘭州牛肉麺のお店3店舗をこっそりお伝えします。

国壱麺(御徒町)

JR御徒町駅から歩いて3分。いちばんよく行くのがここです。ここのニラの葉麺がとても好きです。券売機での注文で、券を買う時に麺の種類も選びます。大根はありません。


五福(秋葉原、岩本町)

JR秋葉原駅、都営新宿線岩本町駅から徒歩3分。今日食べたのは、ここです。一番オーソドックスな蘭州牛肉麺。2階が焼肉屋さん、地下1階が蘭州牛肉麺の五福さん。QRコードでの注文です。麺の種類が分かりづらいと思うので、店員さんに訊いてみてください。麺少なめで注文しても、結構多めです。


馬子禄(神保町)

「マーズルー」というお店。神保町の大通りに面しています。3店舗の中では一番広いです。土日はよく並んでいます。日本人向けに食べやすくなっている印象なので、多くの方々に愛される味です。神保町に行くと、寄りたくなっちゃうお店です。


今日食べた、蘭州牛肉麺です


蘭州牛肉麺。

ついつい頭の中で「らんしゅうぎゅうにくめん」と読んでしまうことは、ここだけの秘密です。

いつか、華さんと蘭州牛肉麺を前に、ビールをご一緒するのが夢のひとつになりました。

夢は目標に、目標は現実に。

そうやって現実に落とし込んでいく細かなやり方は、華さんの日々の発信が教えてくださっています。

いつか、ご一緒出来ることを目指して、日々を積み重ねていきます。


それではまた。お忙しい毎日、くれぐれもお健やかに、ご心身おいといくださいね。


読んでくださって、本当にありがとうございます!









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