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《女の愛と生涯》訳詩──7.わたしの心に、わたしの胸に

わたしの心に、わたしの胸に
おまえはわたしの幸せ、わたしの喜び!

幸せは愛、愛は幸せ
わたしはそう言って取り消さないの

わたしを幸せだと思うわ
わたしはとても幸せよ

その人だけが乳を飲ませ、愛し
子供に、栄養を与えるの

ただ母親だけが知るの
愛することは何か、幸せは何か

ああ、男の人を気の毒に思うわ
母親の幸せを感じられないなんて

愛する子、愛する天使、おまえ、
おまえはわたしを見つめ、微笑んでいる!

わたしの心に、わたしの胸に
おまえはわたしの幸せ、わたしの喜び!


6月23日に演奏する、
シューマン作曲の歌曲集《女の愛と生涯》。


ひとりの女性が愛する男性と出会い、
彼の子供を産み、彼を見送るまでの生涯を描いた作品です。


一日一篇ずつ、
シャミッソーの詩を訳していきます。
(平日のみ)

第七曲では、
女性は愛する我が子を胸に、
大きな喜びを花開かせます。

赤ちゃんをあやすような6/8拍子と、
華やいだ旋律と和声がとても印象的です。

人生における幸せのひとつの形が、
ここにしっかりと体現されています。




演奏は、ジェシー・ノーマンです。




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