藤野沙優

トゥーランドットやワーグナーをレパートリーとするオペラ歌手(ソプラノ)です。音楽活動を…

藤野沙優

トゥーランドットやワーグナーをレパートリーとするオペラ歌手(ソプラノ)です。音楽活動を通じて、地方創生・地域活性化、SDGsに貢献できないか、模索中です。

最近の記事

抽象の海に

先日、舘亜里沙氏演出の『鼓動する聲─オペラ歌手が描く「生き様」の数々─』をガルバホールで鑑賞した。このところのcovid-19の影響で、舞台の上演中止・延期が相次ぐ中の英断に、まずは心からの感謝を捧げたい。 前半はひとりミュージカル2作品、後半は舘氏作・構成の音楽劇『ゴローと呼ばれた男』という構成。この『ゴローと呼ばれた男』は、プッチーニ作曲のオペラ《蝶々夫人》の後日談という位置付けで制作された作品であり、4人の登場人物による台詞と、物語の進行に合わせて挿入される歌曲・オペ

    • 〈憑依型〉の分析

      役を演じる時の状態を大まかに分けると、分析による〈構築型〉と、問答無用で役が降りてくる〈憑依型〉の2パターンがあると考えている。どんな演者の中にも、両方の要素があると思うけれど、自分が感じる〈構築型〉と〈憑依型〉の配分は、3:7だ。理想は、4:6…もしくは5:5なのだが、現時点では〈憑依型〉の方が上回っている。これでも、昔は1:9ぐらいの割合だったのを、ここまで修整してこれたのだが、理想にはまだ遠い。 オペラにおける自分の役作りのベースが〈憑依型〉というのは否めない。自分と

      • 再・はじめのとき

        2020年が始まって、以前書いていたnoteをもう一度、書きたいという気持ちが強まった。なので、再度はじめてみることを決めた。 じつは昨年、2015年からコツコツと構築したSNS環境を総て手離したいという衝動にとりつかれて、2月くらいにブログ・Twitter・noteなど、総てクローズした。今にして思えば、その前の年末に、舞台で転んで頭や首を強打したにも関わらず、幸いにも脳震盪だけで無傷だった…という出来事があったことで、一度旧い自分をクローズしたい気持ちが強まっていたから

      抽象の海に