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急性呼吸器感染症五類化パブコメ文案

急性呼吸器感染症を五類感染症に指定することには反対である。
急性呼吸器感染症を五類に指定するにあたり、風邪と区別できないのではないかという懸念が感染症部会委員方から出ているところではあるが、その区別がつけられるような診断の基準、および医療機関受診の基準を明確に国民に示すべきである。
新型コロナウイルス感染症が新型インフルエンザ等感染症でありながら、致死率が下がり軽症で済む国民がほとんどとなったが、検査や薬をもらうために少しでも症状があればすぐ受診しなければならない空気があり(今も学校・保育所等で熱があればその日に受診および検査をするよう声をかける事が習慣化して残っている)、医療現場で重症者に充分割くリソースがなくなる事を防ぐため「限りある医療資源を有効活用するための医療機関受診及び救急⾞利用に関する4学会声明」が出されている。声明の中で詳細に受診の目安が説明されているが、重症の症状に当てはまらない人は発熱4日以上・咳鼻水はあるけど熱はない場合は1週間ほどは受診せず自宅でゆっくり休むなどと分かりやすい基準で充分広報する必要がある。医師は超初期に受診してきた場合急性呼吸器感染症とは診断しないなどのルール決めが肝要である。
現在提示されている「急性の上気道炎(鼻炎、副鼻腔炎、中耳炎、咽頭炎、喉頭炎)、下気道炎(気管支炎、細気管支炎、肺炎)を指す病原体による症候群の総称」という定義では、コモンディジーズ、つまり風邪を全て含むことになってしまう。少子高齢社会がより加速していく中、医療費の削減は必須であるが、この改正案では数日休めば社会復帰できる風邪で受診・検査・投薬を行う機会が増え医療リソースの逼迫及び医療費の増大が見込まれる。急性呼吸器感染症を五類感染症に指定することには反対である。


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