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試写会レポート『ジェーンとシャルロット』(登壇:ライター/中村千晶氏)

※本記事は2023年7月に参加した試写会レポートです。
※この日のアフタートークでは、登壇者がシャルロット監督にオンライン取材したときの様子などが語られました。

あらすじ

あらすじ:2018年、東京。シャルロット・ゲンズブールは、母であるジェーン・バーキンを見つめる撮影を開始した。ジェーンがセルジュの元を離れ家を出て行った後、父の元で成長したシャルロットには、ジェーンに聞いておきたいことがあったのだ。3人の異父姉妹のこと、次女である自分より長女ケイトを愛していたのではという疑念、公人であり母であり女である彼女の半生とは一体どんなものだったのか。シャルロットはカメラのレンズを通して、初めて母親の真実と向き合うことになる。引用:filmarks

アフタートーク

登壇はライター/中村千晶氏、司会は映画ジャーナリスト/立田敦子氏でした。中村氏は自身が関わる雑誌の企画でシャルロット監督にオンライン取材をしたときの様子を、立田氏はフランスでたまたま見かけたジェーンバーキンの様子などを語ってくれました。どちらも彼女たちの内面に触れた貴重なお話でした。

ジェーン・バーキンの娘たち

ジェーン・バーキンには3人の娘がいる。
・長女ケイト(写真家)
・次女シャルロット(女優)
・末女ルー(女優)
今回のドキュメンタリーを撮ったのは次女シャルロットで父親はセルジュ・ゲンスブール。シャルロットは14才のときに『なまいきシャルロット』に出演している。

ドキュメンタリー当初

ドキュメンタリーを撮り始めた当初、娘シャルロットからインタビューを受けることがジェーンにとっては精神的にとてもきつかったようで撮影は中止になり、お蔵入りになっていた企画だった。ジェーンがある日シャルロットに会いにN.Y.まで来たときに、これまで撮ったものを一緒に観た際、ジェーンの反応がとても良く、ドキュメンタリー再開となった。

ロケ地

当初の予定では、もっと色んな海外に行って撮影する予定だったがコロナ禍の影響で行けず、最終的に東京、ニューヨーク、パリ、ブルターニュの4拠点に集約された。

娘シャルロットの苦悩

母娘の関係についての悩みはフランスではなかなか理解されにくく、そんなの『ハグすれば良いじゃない』で終わってしまう。取材中に、日本ではどう?とシャルロットから逆に聞かれた。もしかしたらこのテーマはフランスより日本のほうが共感が得やすいかもしれない。

セルジュのアトリエ

映画内で出てくるセルジュ・ゲンスブールのアトリエは2023年9月から美術館として公開予定。これまでもミュージアムにしようと提案されていたが、手を付けたくなくてずっと断っていたらしいが、ついに公開される。

バーキンの人柄

・3.11のときに外国の人は日本から出国する人が多かったなかでジェーン・バーキンは逆に日本を心配して駆けつけてくれた。
・ある日、パリにあるお蕎麦屋さんに立田氏が入店すると、そのあとジェーンバーキンも偶然来店。ジェーンは毛玉の付いたセーターで来店しており、その着飾らなさがお洒落だった。
・三姉妹のうちセルジュの娘シャルロットが注目されやすく、長女ケイトが割と控えめに扱われがちなのに対して、メディアにはよく三姉妹を平等に描いてくれと依頼していた。

***

お恥ずかしながらジェーン・バーキンがつい最近までご存命だったことを知らず、60年代、70年代の伝説的な女優という認識でした。
その後、セルジュのアトリエにブリジッド・バルドーのポスターが飾ってあったことの意味を知らず、あとでセルジュとバルドーの関係などを知り、ジェーンの立場を思うとなんとも複雑な気持ちになりました。

ドキュメンタリーでは若かりし頃のジェーン・バーキンのオフショットが流れるシーンもあり、伝説の女優を大きなスクリーンで観れたことに感動しました。

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