都より愛をこめて～テーマ…のようなもの

NHKFM「青春アドベンチャー」での「00‐03　都より愛をこめて」は、無事全10回の放送を終了しました。この少々ヘンテコなドラマを面白がっていただき、ありがとうございます。
たまたま新型コロナで、今の東京が普段とは違う様子になり、それがこのドラマ世界（これまでの日常。20XX年なのに！）と乖離していたり、いやだからこそ首都・東京の問題がクローズアップされたり……で、妙にタイムリーな企画になってしまいました。

後半５回分のサブタイトルを載せておきますね。

このドラマのテーマは「近未来の遷都問題」…ということになるのでしょう。
実はぼくは小説でもドラマでも、「作品のテーマ」というやつが苦手。そんなもの後付けでいいし、もっともらしいテーマなんていくつでも考えられるし、テーマ主義で押しつぶされてつまんなかったら意味ないし…などと思ってます。乱暴でゴメンナサイ！

でもあえて言えば…このドラマのテーマは、表向きは「遷都問題」なのですが、本当のテーマは「東京もローカルの一つにすぎない」です。あまりに巨大になった東京の中だけにいると、それが見えなくなってしまう。ぼくはいつも、そこに違和感をもっています。たぶんぼくが地方出身者だからでしょう。
だけど本当の本当のテーマは……「笑ってもらいたい」かもしれませんけどね。

今回たまたまお聞きになった若い方は「なにコレ！？」「NHKでこういうのやるの？」という発見もあって面白がってくれたようです。が、古くからのこの番組のファンは「これこれ！　藤井青銅はあいかわらずだな」「久しぶりに全部聞いた」などという方もいたようで、とても嬉しかった。
そういや、ぼくは30年前からこういうのを書いてきました。「懐かしい！」という反応は好意的だと思うのですが、言い換えれば「30年間進歩なし」ということでもあるわけで、ぐぅ…。

らじる★らじるの聴き逃しサイトで、後半一週間分が聴けます。ご興味あれば、ぜひどうぞ。

なお当然のことながら、ぼくの妙なドラマがお嫌いな方もいらっしゃったでしょう。ご安心を！　来週からは「青春アドベンチャー」で安定のオーディオドラマが放送されますよ。
それだけでなく、NHKのラジオ第一では、５月４～６日に渡ってオーディオドラマ三昧で過去の名作ドラマがドッと再放送されるようです（ぼくのドラマはありませんが、ま、そんなことはどうでもいい）。
ステイホームのおともに、オーディオドラマもどうぞ。