端っこの人

以前、あるパーソナリティの方に、
「青銅さんは、道を歩いてると端っこに行っちゃうタイプでしょ?」
と指摘されたことがある。
「で、道端の雑草を眺めたり、石ころを蹴ったり、側溝を覗き込んだり、ヘンな看板を見つけたりして面白がってる」
……と。まるで小学生の下校時だ。
それは当然、世の中には「自然に道の真ん中を行くタイプ」がいることに対比しての「端っこタイプ」なわけだ。そしてもちろん、道というのは比喩だ。実際に道路の真ん中を歩くと危険ですからね。

「たしかに」
と思った。
「端っこばかり歩いてる人生だよなあ」と。
ことわっておくが私は、「真ん中はイヤだ」と思っているわけではない。「真ん中タイプの人」を嫌っているわけでもない。むしろ、憧れている。
時に真ん中を行くことだってある。が、気づくといつの間にか端っこを歩いているのだ。なぜだろう?

慣れないからか? 照れくさいのか? 「お前なんかが偉そうに真ん中を歩いてんじゃないよ!」と自分で自分にツッコんでしまうからか? 
で、結局端っこを歩いて、
「おっ、この張り紙の文章、なんかヘンで面白いぞ」
なんて発見して、
「ほら。みんな、見て、見て!」
とやっているのだ。
そういうタイプの方もいるのではないだろうか?

ところで今、ぼんやりと思うのは、
「道端の雑草や石ころや看板や張り紙に興味があるから、すすんで端っこを歩く」のか?
それとも、
「真ん中に行けない人生なので、端っこを歩いてるうちにそういったものに興味を持つようになった」のか?
……こんなことをクヨクヨと考えてしまうのは、元々「端っこの人」だからかもしれないけど。


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