韓国の歴史を知るために見た映画リスト
韓国の映画は、歴史や政権批判をテーマにしたものも多く、それらについてまとめたいと思います。
2020年1月に生まれて初めて韓国映画を見て、5月に韓国ドラマにハマってから約1年で見てきた映画たちということになります。
まず、朝鮮半島がなぜ分断されているのか、その歴史をフランス人の視点で冷静に見られるのがこちら。
分断の歴史をまず頭に入れるというのはとても意味があることでした。この記事の中でこの作品のみドキュメンタリーです。
さて、映画作品で日帝植民地時代〜第二次世界大戦〜朝鮮戦争直後を見ていきます。
日本統治下のアンビバレンツなエリートの姿、人間をぬるりと映像美で描きます。
アメリカ国籍の韓国系移民(2世や3世)によって作られた、アメリカ映画「ミナリ」です。本編は韓国語で離されるパートが長いです。パク・ソジュンの出演しているバラエティ「ユン食堂」シリーズでおなじみのユン・ヨジュンさんの出演されている映画です。
朝鮮戦争後の国が貧しい時代にアメリカに渡った韓国人の苦労と家族の在り方が描かれます。宗教の絡みもあり、この地獄を選んだ移民も多かったんだな、という想像力を培うことができます。
K CIAです。諜報部です!混沌としている70年代終わりの話です。かなりハードボイルドでおっさんしか出てきません。あっさりグロい。朴正煕大統領が料亭で暗殺されるのは史実です。
こちらは日本でもヒットしました映画。人情映画として見ることもできます。が、お話は光州事件とそれを世界にはじめて報道したドイツ人ジャーナリストのストーリーです。
実際の光州事件の映像も出てきて人が死ぬのでちょっと怖いですが、それが事実です。1980年の事件です。そんなに遠い話ではありません。
1987年の6月民主抗争を描いた映画です。出てくるのは役者ですが、現実の人物をもとにした人物設定が小本で、実際に犠牲になった学生を象徴として使っています。拷問、言論弾圧、戒厳令、そんな中での民主抗争とはどんな形で行われたのか。学生・デモとは具体的にはどのように起こるのか。日本では忘れられた手順が描かれています。重いですがこの民主化運動のあと、ソウルオリンピックを経て、韓国は先進国の仲間入りを遂げる、という重大な局面です。
民主化を遂げたあとは、北朝鮮との関係性をどうするか、という1点が国内の安全上の課題となっていきました。特に核をどう扱うのか、というのが課題でした。この作品も北朝鮮の弾道ミサイルの件の直前に公開され、ヒットしたそうです。映像が重厚。
こちらはその北朝鮮の指導者がひょんなことで韓国側にきてしまったら...というサスペンスもの。愛の不時着にちょっと近いですが、「北朝鮮も人間」みたいなやわらかな筆致になります。
1995年、日本ではオウム真理教や阪神淡路大震災などでショッキングな都市でしたが、韓国では1987あたりで見られた民主化運動も残りがを放つのみ、経済的に成長していく中での日常がやってきます。そんななかでのおおきな橋、ソンス大橋の崩落などがおこり、日常風景に焦点を当てた映画となっています。
順調に成長していたかのように見えた韓国経済にも、財閥中心主義、人情経営がたたって経済危機がおとづれます。1997年のIMF通貨危機と言われるものです。ドキュメンタリー映画ではないので、結論が正解かどうかは不明ですが当時の混沌とした状態が伺えます。
パク・ソジュンssiもこの時期に父親が事業に失敗して小い家に移ったといっていますのでかなり一般大衆レベルで大事件だった事件なのでしょう。
順番は逆なので、パラサイトが人生で初めてみた韓国映画だったのですが、上記の映画を見たあとにこれを見るとまた家族の位置付けについて考える部分が広がります。
そして今日へ到る。無理やり表現年代の時系列に並べてみましたが、この順番で見ればかなり事情はわかってくるのではないかと思いました。フィクションとはいえ、きちんと事実と虚構を分けて楽しみたいものです。
参考までにこちら↓の本に出ていた作品を何割見ているか、書き出して計算してみました。
148作品のうち、28作品で18.92%でした。なかなか難しいものです。
全く知見のないまま見まくっておりますので、リコメンドがあれば是非教えてください!