私は「やっぱり胸がほしい」と思う既婚MtX-F(F寄りX)

正直に、やっぱり家人の体つきに憧れる。羨ましい。胸があるし肌もきめ細かい。しわが増えた、なんて嘆いてるけど、私のほうがよっぽど毛穴が目立つし。

ちなみに髪は家人と同じくらいの長さ(肩について垂れるくらい)だけど、あまり家人はいい顔をしない。前のnoteにも愚痴ったばかりだけど。

鬱病が悪化して入院中、イソフラボンサプリの過剰摂取を始めた。1日1錠、を目安のものを、1日6錠~9錠、1年半飲み続けた。今は、悪名高い(厚労省も注意喚起を促している、ただし生まれつきの女性に対して)「プエラリアミリフィカ」を飲んでる。これは2錠くらいづつ。

そうすると、ぺたんこからAAくらいまでは育った。

でも、ただ脂肪がついただけ。張りもなければ、乳輪も乳首も大きくはならない。当たり前だ、本物のホルモン治療を受けられているわけではないのだから。でも、膨らんで大きくなってきたときは嬉しかったし、ブラをつけているときは揺れて痛くないのを実感できて、ブラって素晴らしい!と思いながら教壇に立っている。

でも、体つきは歪だと自分でも思う。

部活で水泳をずーっとしていたから逆三角形の身体に、筋肉(胸筋)に脂肪がついて、AAになっているように「見える」だけの私の胸。自然なおっぱいの付き方ではない。

当たり前だけど、女性ホルモンの投与をしていない、ただのサプリに頼るだけの私に、それ以上の身体の変化は望むべくもないのだろう。

私は完全なSRS(性別適合手術)は望んでいない。一生の治療費と更年期障害がうつ病に追加されることを除けば、ホルモン治療だけは受けたいと思い続けていた。

でも私と家人には3人子供がいる。当然教育費がかかる。加えて、私と家人の精神薬という、定期的にかかる薬代がある。これに、年間数十万円とされる自己負担のホルモン療法を受ける経済的余裕は……ないよ……

いいな、と思う。受けられる人が羨ましいと思う。生まれつき女性でいられるひとを、心底羨ましい(女の苦労も知らないで、という議論はここでは不問にしてもらえると嬉しい。私が言いたいのはジェンダー論ではなく、性同一性障害を抱える者が、性自認が一致している大多数の人、特に自分の性自認に近い身体の性別をもつ人に対する、消えることのない羨ましさのことだ)。

結婚前に自分の性別について気づけた人は幸せな方だと思う。大半の人は、結婚後、もしくは年を取って気づく人が多い。特に中年付近の男性(MtXやMtF)が多い傾向があるような気がするが、情報不足だった時代背景があるような気がする。だからこそ今の若い世代の子たちは、比較的早く気づけてる。いいことなんだと思いたい。知らずに、引き返せない年齢になってから気づくよりは、きっと選択肢が多いはずだから。

私は、半分諦めている。職場では、私は異性装で過ごしている。朝、出勤してワンピースやスカートに履き替えるし、冬は厚手のタイツが手放せなかった。ヒールも履いてる。5センチのアンクルストラップがついてる、お気に入り。職場の健康診断だって、男性の列にスカートとヒールで並んで受診していた。内科検診の時は女性のお医者さんですごく助かった。

そうしていると、好きな服を着て、社会と繋がることができている(教師という仕事をこなすことが許されている)現状のほうが、今の私には大事な、大切にしなくちゃいけない事実なのかもしれない、と思うようになってきた。

受けられるならもちろん女性ホルモンの投与は希望してる。しないわけがない。

でも制約がある。すべてを手に入れることはできないんだ。どっちかを手に入れることは、もう一方を捨てることなんだ。

ほんとは家でもフェミニンな服着たいけど、家庭では私は父親で夫なんだ。それはどうあっても動かせない社会的役割。

なんだかたくさん書いてしまった。同じ境遇の人に届くといいな。



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