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しゃーなしD2Cの秘めた可能性【CXDIVE2019】

19/04/17開催のCXDIVEのレポ。濃密な内容に刺激を受けた会でした。特に勉強になったD2Cセッションをnoteに。※個人的な見解も交えている為、間違いがあればご指摘くださいm

セッション「CXが拡張するD2Cの可能性」

橋本 舜ベースフード株式会社 代表取締役社長)
山下 貴嗣Minimal – Bean to Bar Chocolate – 代表)
ハヤカワ五味株式会社ウツワ 代表取締役)


1. D2Cをはじめたきっかけ

印象的だったのはBASE FOOD 橋下さんの回答。

「D2Cをやろう!っと意識して初めたのでは無い。良いもの作って顧客の声を聞きながら柔軟に変化し、PMFを進めていこうとすると"しゃーなしD2C"になる。ダイレクトにやる事だけがD2Cではなく、BASE FOODだったら"平日ランチでも食べたい"っというニーズがあれば、商品化しナチュラルローソンに置くくらいフレキシブルに動ける事が本質。ただ必要な場所で販売するだけだから。その曖昧な所が良さでもある。」

正直D2Cの事を真剣に考えた事が無かったので、シンプルでHappyなビジネスモデルだという事に気が付いた。

ただモデルに新しさを感じなかったので、話題になっている事が疑問だったが、スナックミー代表の服部さんがわかりやすく理由を書いてくださっていた。


2. D2Cならではの強み

川上から川下まで自分達で行う事によって、生まれるメリット事が多いようだ。

①ストーリーを作り出せる・伝えられる
②ピンポイントで改善できる柔軟性、価値観の多様化・変化のスピードが早い現代にはマッチしている
③一箇所ミスったら全部ダメになるのでリスクは高いが、コントロールしやすい為、伸び幅は無限大である

D2Cではないと思うけど、個人的にはマザーハウスのストーリーが好き。
あとはパタゴニア。(私単純だな・・・)


3. 立ち上げからのブレイクポイント

まず作る!!ミニマム検証出来る方法で世の中に出す!
出す時は共感が生まれる・シェアされやすいキャッチコピーは重要。

【ベースフード】
・一人で麺だけ作ってクラファン出した。amazonで販売した結果、3日間で4000食売れた
・キャッチコピーがわかりやかった「主食をイノベーション」「完全食」

【Feast-secret】
・サンプルを作って写真をTwitterでツイート、購入希望者が殺到して急いで商品化する流れに
・シェアされやすい内容だった「胸が大きい人は選べるのに、胸の小さい人は選べない」


売れる場所で売る!広がる所まで考えてエリア選択。

【Minimal】
・お店の場所を"富ヶ谷"と決めていた。都心近くで感度高い人が住んでいる、スモールな街から流行が生まれる流れがあると思った
・実際に芸能人がふらっと来て買っていく事も多々ある
・店舗の内装もかなりこだわった


4. リアル店舗事情

リアル店舗は「販売エリア→体験エリア」に変化していく予感。売上追求以外の価値がある。

メリット
・リアルに顧客の声を聞ける・行動を見れる
 →店舗はPDCA回すには向いている
・指標が買う・買わないなので満足度がわかりやすい
 (KPIに試食・滞在時間を持っている)
・顧客にとっては視覚・食感でも体験できる為、情報量が多い・その場でリアルに比較検討出来るメリットがある
デメリット
・資本が必要
 (巨額な資本があれば店舗展開し続けて面を取りにくいスタイルは良い)
・リアル店舗は2店舗目からは金銭的に難易度が高い

リアル店舗のKPI設計めちゃくちゃ面白そう。行動観察したい。
店舗でPDCA回している脱毛サロン「キレイモ」さん事例を思い出した。


5. オンラインの立ち位置

上記でリアル店舗の立ち位置を整理したので、売上はオンラインに寄せていく方向性。

・今後は売上比率をWebに比重を上げて行きたい
・LTVを高めていく為には顧客データは重要だが、現在リアル店舗でのデータ取得は難易度高い
・グローバル視点が考えた時に、海外店舗を出すのでは無く、ECで間口を広げて行きたい。店舗の立ち位置もNYに1店舗、東京に1店舗など主要エリアのみに店舗を絞ってリアルの価値を高めていくのもやっていきたい


ここまで書いて山下さんの店舗への想いがつまったnoteを見つけた。
シアトルでの体験とMinimalのこだわりが読めます。


6. ブランドはどのように作っているか

まずは商品として良いものではなくてはダメ。Minimal 山下さんのブランディングについての説明がとてもわかりやすかった。

「ブランディングは2階立ての建物だと思っている。1階はまずそもそも商品のクオリティ、美味しく無いといけない。2階に他社との差別化。1階を作りきらずに2階を意識している人が多い。Minimalは半年かけて1階を作り切った事は良かった。マック、スタバも同じスタイル。良いものを作った人が最初にいた。」

商品だけでは無く、アプリのようなプロダクトも同じだと思う。基本的な機能が無いのにマーケしても盛り上がりは一瞬で終わってしまう。

ちなみにマクドナルドを巨大企業に成長させたストーリはコチラ↓


7. 大手競合の参入について

私もスタートアップでプロダクト作っているので、とても共感する話でした。結局気にせず邁進するのみなのだ。

・どうしても瞬間的には、アイディア・顧客を取られたと思ってしまうが、
市場が広がり、そもそも実現したいミッションに少しでも早く近くので、ポジティブに受け取っている
・ブランディングで話した、1階をちゃんと作っていれば最終的には本家に来るので心配は無い
・そして今の所そのケースで上手くいった事例はみた事がない、CXが違うから結局パクれない

商品が全く一緒でも、販売方法・環境が違えば結果は大きく異なると思う。大手の場合は上から降りてきたパターンが多くて、そもそも本質を理解せずにトレースしてなんか違うな感が生まれてしまう印象。

8. 注目している他社事例

【Apple】
・自社で作ってマーケして販売する、まさに川上から川下までを一貫したCX。今後はサブスクリプションもスタート、前例の無いスタイル。

【ディズニー】
・パークは各国に1拠点だから盛り上がる。パークの収益は約6割が飲食と物販。商品は家に持って帰ってまた思い出すし、Webでも購入できる。アミューズメントと考えると圧倒的に購買ハードル下がって物が売れる仕組み。

Minimalもチョコレート工場を作ったら良いかもしれないというアイディアが生まれていました。行きたすぎる。


9. 最後に感想

スマイルズの遠山さんが最初に登壇していたのですが、
「小さくスタートすることがコツ、リスクの少なさと面白さの掛け合わせ。4人集めてみる、150万でとりあえずやってみるの規模感で良い」っと言っていた事が全てに通じていた。グロースにはコツがあるが、まず作らないと何もはじまらない。

ランチも体験型になっており、こだわり溢れる素敵なイベントでした。ありがとうございました!



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