#354 焦り

打撲した脛を知らず知らずのうちに庇っていたせいか逆足の大腿部を肉離れしてしまった。歩くのも辛い位に痛みが激しかったが、どうすることもできなく、自然治癒に任せるしかなかった。
歩行もままならず日常生活にも支障をきたす位の怪我。
数多くの怪我をした高校時代にも経験したことのなかった怪我だった。
1週間後に控えた所属リーグの開幕戦は残念ながら出場することが出来なかった。肉離れの痛みが中々取れなかったので、開幕戦は観に行くことも諦めた。
結果は後で知る事となるが、開幕戦はなんとか逆転で白星スタート。
自分が出れない試合にチームが勝ったのは嬉しかったが、自分がその場にいれなかったことで悔しさもあり、複雑な心境だった。
2戦目が翌週にあったが、その試合も出場することが叶わず。
2戦目も自宅で結果の連絡が来るのを待つこととなる。
2戦目も勝利し開幕、2連勝。
僕はその輪に加われないことに焦りを感じ、まだ完治まで3割にも満たない見切り発車状態で3戦目での復帰を決めた。
相手は上智大学ウルフハンズ。この試合には夏に富士山を一緒に登頂した友人Aが観に来てくれた。
僕は試合前の練習からほとんどまともに走ることが出来ない状態だっが、グランドに発てばなんとかなるという気持ちでいた。
試合が始まると相手チームのバックスが早い球回しでボールを繋いできて、僕は十分に動くことが出来ず、対面を全く止めることが出来なかった。
対面は相手チームのトライゲッターの様で、彼に走られトライを許してしまった。
試合は前半に結構トライを重ねられ点差が開く。前半なんとか終了したといころで僕は先輩に交代を求めた。
これ以上出続けてチームに迷惑を掛ける訳には行かなかった。
後半に入っても相手チームの攻撃の手が休まることは無く、結局大差で自チームは敗戦。
開幕からの連勝がストップ。僕は高校3年に試合中に複雑骨折を負った時以来となる無念の試合途中での交代となった。しかも今回は自己申告による交代。
続く…

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