さやのもゆ 読書会ノート2024.1/20「おかげで、死ぬのが楽 しみになった」 遠未真幸/著 【概略版】
掛川ほんわかブッククラブでは、月に一度の読書会を、主に掛川中央図書館にて開催しております。
1月読書会は、年始めにふさわしい、特別企画の1日となりました。
テキストは「高校生が選ぶ 掛川文学賞」受賞作『おかげで、死ぬのが楽しみになった』(遠未真幸/著、サンマーク出版)。
同日午後より開催の「掛川文学賞・授賞式&交流会」との、タイアップ企画です。
当日(1/20)は、作者・遠未真幸(とうみ・まさき)先生がご来掛。まさに、読書まつりの1日でした。
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『おかげで、死ぬのが楽しみになった』
ーあらすじー
「応援団を復活してほしい。」なぞの遺言をのこして他界した、巣立進。かつての応援団員・引間、宮瀬、板垣の3人はさっそく応援団「シャイニング」を再結成するが・・・?
主役は、70代の男性トリオ。『いったい、何を応援するのか?』最初は困惑した彼らだったが、周囲を巻き込みながらの“応援”で、たどり着いた答えとは?
そして、巣立進の真意とは、何だったのかー。
"巣立湯"を拠点に、世代の垣根を越えて繰り広げられた、「老春(おいしゅん)」コミュ・ストーリー。
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午前中は、ほんわかブッククラブ読書会&ランチ読書会(カレーのお店・JANさんにて)を開催。午後は再び図書館に移動して「高校生が選ぶ 掛川文学賞」授賞式&交流会に参加しました。
遠未先生は、元は応援団やミュージシャン、というユニークな経歴の持ち主。たいへん気さくな方で、この一日を応援団よろしく盛り上げて下さいました。
これには、作者ご本人の前で感想を言うのに、少なからず緊張気味?だった参加者/高校生も、リラックスしてお話が出来た様子。
「僕の本をホメてくれたから、だけではありません。みなさんの言葉は、すべてが僕への応援だと思ってます。」
ー遠未先生は、そのお言葉通り、読者の感想をひとつひとつ、真摯に受け止めてお答え下さいました。
午後からの「掛川文学賞授賞式・交流会」では、選考委員の高校生が進行役を務め、アットホームな雰囲気の中で楽しく行われました。
今年で二回目となる、「高校生が選ぶ・掛川文学賞」。選考方法は、市民選書委員が選んだ候補作品・5作を市内4校・12名の高校生(選考委員)が読み、この中から掛川文学賞の1作を決定するというものです。
今回は、最終選考の段階で2作が残り、いずれか1作を選ぶのに、所定の時間では結論に至らず。さらに時間をかけて対話を重ねた結果、お互いの同意点を共有し合えた形で、掛川文学賞を決定されたと、お聞きしました。
「読後感として、ストーリーが印象に残った」
「お年寄りが主人公の物語は数少ないし、むしろ、こちらの方がインパクトがある」
「掛川文学賞にふさわしい作品。同世代にも読んでもらいたいと思えるから」ー等々。
多数決に頼らず、話し合いで結論に導く手法を貫いた高校生の姿に、心を動かされました。
遠未先生ご自身もスピーチの中で、こう仰っておられます。
「僕が『高校生が選ぶ掛川文学賞』に選んで頂いて一番嬉しかったのは、皆さんの“選び方”。
“私とあなたは、もともと違うのだから、その中で同意できる点をさがそう”と、敢えて話し合いで決める方に舵を切った。その、面倒な方法を選んだ姿勢は美しいと思います。」
「僕はこの本の執筆に6年半もかかりましたがー。確かに世の中には、効率の良いシステムやツールがいっぱいある。でも、逆にそうしたタイパ・コスパが悪い事の中にこそ、大切なものがあるのも事実です。
だから、みんなも僕と同じ、仲間だと感じました。掛川には、そういう“まわり道の仲間”がいるのだと思えるのです。」
読書の素晴らしさと、本を通じての、新しい交流のかたち。
世代間交流の大切なツールとしての読書。その無形の価値を、改めて認識した1日でした。
「ほんわかブッククラブ読書会ノート」は、この日の様子を読書会からランチトーク、掛川文学賞授賞式&交流会まで書けるかぎり、記事にさせていただきました。手書きのA4サイズ・14ページの大特集?です。
ただ今、掛川の「走る本屋さん・高久書店」さんに置かせて頂いております。
お読み下さる優しい方は、店主・高木さんにお声がけ下さいね。よろしくお願いします。
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