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日向坂46『ソンナコトナイヨ』

以前、日向坂46の『ってか』という曲についてこちらのnoteに書いたけれど、その後も順調に日向坂46にハマっていき、彼女たちの過去曲もいっぱい聞いていくうちに、この曲は『ってか』と見事に呼応している!という曲に出会ったので、今回はその曲について書いていきたい。

その曲とは彼女たちの4枚目のシングル『ソンナコトナイヨ』。

この曲は『ってか』より先に発売された曲なんだけど、聞けば聞くほど、『ってか』とリンクしている。

『ってか』の女の子は、「周りから可愛いと言われていて、言われ慣れているような女の子で、自分でも自分が可愛いと自覚もしているけど、可愛いだけなら他にも可愛い女の子はいる。私の価値って可愛いだけなのか…と思い悩む女の子」だった。

対する『ソンナコトナイヨ』は「切りすぎた前髪を誰かにからかわれて、自分の外見に自信がない女の子」。そしてその女の子を励ます男の子目線で「僕はそう思わない」「どんな君だってがっかりしない」「他にキレイな人はいるけど僕は君じゃなきゃ嫌だ」「どこにでもいるようなタイプならこんなに好きには慣れないよ そう他にいないから君しかダメなんだ」と歌っている。

『ってか』で「私は可愛いしか価値がないのかな…」と思い悩む女の子を、『ソンナコトナイヨ』の男の子が「君は可愛いけど、在り来たりの可愛さじゃないし、可愛いだけじゃないよ!」と励ましているように聞こえてこないだろうか。私にはそう聞こえる。

そして、この曲は『ってか』の自分の可愛さに思い悩む女の子へのアンサーソングとして聞こえるというだけではない楽しみもある。
この曲単体で聞いていくと、自分のことをちっとも可愛いと思ってないし、クラスでもカースト下位にいる女の子を密かに思っている、こちらもカースト下位の男の子の推しソングとしても聞こえてくるのだ。

前髪を切りすぎた女の子がスクールカースト上位にいる男子女子にからかわれている。その様子をひっそりと見ている男の子。ひそかに前から想いを寄せていた自分もカースト下位にいる男の子。スクールカースト下位だからみんなの前で「そんなことないよ!可愛いじゃん!」と彼女をかばうこともできずに、自分の中で一人「ソンナコトナイヨ!クラスで一番君が可愛いよ」と反論している、一人片思いの女の子を推している。そんな様が浮かんでこないだろうか…。

そんな妄想が功を奏し、そして私も『ソンナコトナイヨ』の女の子を似た境遇だったからか、この曲には励まされてしまう。

この曲の歌詞は、男性の視点で書かれているのだけど、私は女性アイドルが男性目線を歌っている曲に素直に感情移入できなかった。
どう聞いたらいいのかわからなかった。
そうした曲は聞いていても、女性アイドル↔︎男性ファンの関係性という閉じた世界を感じて、どこか他人事というか疎外感があったけど、『ソンナコトナイヨ』は女性アイドルが男性目線の歌詞を歌っていてもなぜか自分に向けて歌われている感じがする。

それほどまでに、私は私の外見に自信がなくて、そしてそれを誰かに「そんなことない」って否定して欲しかったのか…とそれまでそこまで意識してなかった自分のコンプレックスに気付かされた。そんな曲でもあった。

自分に自信が持てなくなったらひっそり聞いて、ひっそり励ましてもらおう…。

1:33の「そんなことないよー!」がとてもよい…。


↓こちらは『ってか』について


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