見出し画像

鼻歌(200字ノベル)

今日も愉快な鼻歌が浴室から聞こえてくる。

同棲もせずに結婚してから初めて暮らし始めた私たち。不安がなかったかと言えば嘘になるが、優しい時間が流れるこの空間が大好きだ。
カチャカチャと鳴る私の食器洗いのリズムを、彼の鼻歌に合わせるのが密かにブーム中。

「あなたも浴室で一緒に歌っちゃう?」
そう聞いたらお腹の中から、ポコポコと可愛らしい返事が聞こえた。


#小説

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?