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いわて林業女子的木工職人への道⑨  ~ウッドターニング講習1

 だいぶ間があいてしまいましたが、木工職人への道を断念したわけではありません。10月に実家に近いさいたま市でプロに習ってきました。関係者への報告の意味も込めて(というかこちらがメイン)振り返ります。

教えていただいたのはykw という屋号でウッドターニング(木工旋盤)の創作やインストラクターをしている川口先生。わたしの実家があるさいたま市でレッスンが受けられます。

3日間のクラス(マンツーマン)を受講しましたが、日本で一般的なウッドターニングは乾燥した広葉樹を使うもので、わたしがやりたい生木(乾燥させていない広葉樹の丸太)を旋盤で回すものはマイナーらしく、生木に適したプログラムを組んでいただきました。そのため、事前に使いやすい丸太の太さや長さを教えていただき、自分で丸太を用意し送り、それを使いました。


最初、1時間くらいは座学。ウッドターニングに必要なものや木取り(丸太からどのような向きでうつわの型を取るか、ということ)について勉強。
必要なものは大きなものでは
①ウッドターニング(旋盤) =上の写真のもの
②刃物 =おもにウッドターニング発祥のイギリス製
③グラインダー =刃物を研ぐもの
ーーです。もう少し細かく言うと
④チャック、ジョー =回転させるもの(木)を旋盤に固定させる金具
も絶対に必要です。
さらに生木を使うなら(たぶん乾燥材でも)
⑤バンドソー
も必須。これはちょっと想定外でした(汗)
さらに当然ですが
⑥チェーンソー
も必要。ykwは室内なので、電気式のチェーンソーでした。

総額として、写真の旋盤と②~④を揃えるのに、20~25万円程度。金額的にそこまで大きくはないとも言えますが、設置場所=作業場所の確保まで考えるとけっこうお金がかかります。さらに⑤⑥も新規に購入となるとかなりのオオゴトです。

①③ともに、自分の身長にあった高さに固定することが大切なので、設置までの準備が肝要です。

使わせていただいた旋盤は こちらのWOODFAST M320 。4分の3馬力というものだそうで、4分の3~1馬力は「ミディサイズ」と呼ばれるそうです。「卓上旋盤」という文字通り、自分で用意した台の上に据え付けます。
余談ですが、このM320が在庫がない、と先生から伺っていたので、「春くらいに買えればいいかな~」とのんきに業者さんに問合せをしたら「11月末に入荷予定」とのお返事。まだ設置場所が確保できていないのに(汗)といううれしいような困ったような事態に陥りました。

そして、「木取り」について。生木からうつわをつくる場合、
・センターワーク
・フェイスワーク
に大別されます。
 センターワークは、小口(丸太の断面)を旋盤に固定するというやり方です。日本で言うと、こけしはこの手法とのこと。細長いものは必然的にセンターワークでしか作れません。
ちなみにわたしは釜石ではこのセンターワークでしか作ったことがありませんでした。センターワークだと場合によっては、丸太をそのまま旋盤に固定するので、バンドソーで木取りをする必要がありません。初日の時点ではセンターワークに心惹かれましたが、その難しさが3日目に分かります。芯を残すので割れやすいというリスクもあります。
 フェイスワークは、いわゆる「横木」。バンドソーなどを使って芯去り(芯の部分を除いて両側を使う)にして木取りをしてから旋盤に固定します。おそらくこちらがポピュラーなやり方のように思います。

そのほか、仕上げについてもレクチャー。釜石ではその場で「木固めエース」という食品衛生法をクリアしたウレタン塗料を塗り、さらに日にちを置いてまた塗るという方法でしたが、川口先生は木を固めるという方法は取らず、乾燥してからオイルフィニッシュで仕上げるとのことでした。

午前中は座学で終了。次回(初日午後)は刃物の研ぎからスタートです。
(つづく)




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