【価値観】お金持ちの気持ちってなんだろう。

 少し前までは「お金持ち」になりてぇ〜!だなんて思ってた。小さい頃からずっとお金でなんでも解決できると思っていたし、お金さえあれば幸せになれると思っていた。お金への執着は人一倍あると感じているし、逆にお金が好きじゃない人なんて、いないと思う。

でも、自分ってお金持ちになりたいのかな…と最近自分に問うようになった。

それは最近あった些細な出来事がきっかけ。

一ヶ月前に名古屋から大阪まで行く際に、初めて近鉄の「プレミアム」に乗車した。プレミアムシートに乗るのは初めてで、最初はすっごく感動をした。シートはフカフカだし、リクライニングもできるし、内装もとっても綺麗で乗車中の2時間は、ずっと興奮が止まらなかった。もちろん、お値段もなかなかする。しかしこのチケットは知り合いから頂いたチケットで、私は無料で乗ることができた。自分はお金を使いたくないだけに、いつもどっか旅行へいくときは夜行バスか、電車でも一番安いシートを選んでいる。そんな私にとって、プレミアムシートはあまりにも快適で、「あ〜お金持ちっていつもこんな気分なんだろうな〜」と思った。「こういうとこにお金をかけられる人はいいな〜」って。

そして、またすぐにその近鉄のプレミアムシートに乗る機会ができた。もちろんチケットは知り合いから頂いたもので、また無料で乗ることができた。ありがたい。しかし、最初の乗った時に味わった「ワクワク感」だったり、「感動」であったり、自分を幸せな気分にしてくれた感情をそのときは感じることができず、なんと言ったって、普通だった。多分それは直近で、プレミアムシートを経験しているからだと思う。でもこの時にふと思ったのだ。

「お金持ちって、いつもこういう気持ちなのかな」と。

確かにお金がたくさんあれば、ラグジュアリーさだって、快適さだって買える。欲しいと思ったものはなんでも手に入るし、例を出せば、高級ステーキだっていつでも食べれる。でもその一般的に「特別」とされていることを、普通にできちゃうことから、だんだんそれに慣れていってしまうんだろうなと思った。そして、慣れていくことから、特別なことが、まさに特別ではなくなって、飽きていってしまうんだろうなと思った。お金によって買えるワクワク感だったり、感動だったり、そういう幸せな気持ちが、だんだん薄れていくんじゃないのかな‥と思った。

その時にふと、資産家とお話をしたときの会話が蘇ってきた。その資産家はこう話した。

「お金をたくさん稼いで、全て手に入ったと思った途端、世界は一気につまらなくなるよ」と。

まさに、そういうことなんだなと、人生で初めてお金持ちの気持ちがわかったような気がした。

確かにお金があれば欲しいものは手に入る、けれど初心の気持ち、まさに「特別感」から生まれる、ワクワク感や感動といった気持ちはお金では買えないんだなと思った。そして、そのような感情がどんどんなくなっていくと、なんでも平凡に思えて、世界はつまらなくなるんだなと身にしみて感じだ。そんなの、悲しすぎるよね。

でも大人になるってことも、「いろんなことがつまらなく感じてくる」プロセスなのかなとも思って、自分の経験と照らし合わせてみた。例えば、飛行機に乗ること。昔は飛行機に乗ることは大きなイベントで、乗る前夜はワクワク感が溢れすぎて、眠れない時もあった。あのワクワク感って本当に幸せな瞬間で、生きていてよかったと思える感情だ。でも、大人になるにつれ、飛行機を乗る回数も増えていく。そして回数を重ねるごとに慣れていき、飛行機を乗ることは大したことじゃなくなっていく。「幼いときは、あんなワクワクしていたのになぁ」って、つくづく思う。しかし、きっとなんでも手に入れたお金持ちはそういう感情を、よく感じるのかな〜とおもったのだ。

たまに高級ステーキが食べれるから美味しい。

たまにラグジュアリーな旅行ができるから楽しい。

まさに「特別なこと」っていうのは、たまにできるから「特別」なのであって、楽しいのであって、幸せなんだなと思った。そしてその「特別」から感じる人間らしい感情を失いたくないなぁ〜と思ったのだ。

その時に「やっぱり、お金持ちにならんくていいや」とか思った。ちょっとした「お金持ちへの憧れ」が薄れていったのである。

もちろんここまで話したことは、全ての人に当てはまるわけではない。「特別」の概念は人それぞれ違うし、状況によってどう人が「特別感」を感じるかも、バラバラだ。でも少なくとも、自分はお金で買える「特別感」を、ずっと特別なものにしていきたいと思った。

まさに辛い時があるから、いいときは幸せに感じる。

死があるから、生きていることが素敵に感じる。

それと一緒で、特別な行事も、なかなか手に入らないから、特別なんだなと思ったのである。


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