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【1989年100日旅】69日目。ロストック

1989年6月13日、旅は69日目。考古学者ハインリッヒ・シュリーマンの生家がロストックから近いというので見学に行く。トップ写真はシュリーマンが発掘したトロイ遺跡の木馬のもの。

眠ったようにしずかな田舎町の、赤レンガの教会がシュリーマンの生家だと言われる。管理人がなぜか不在で中に入れなかったためあたりを散策。昼食の時間になったけれど、周りに飲食店が見当たらないので個人商店に入った。

商店で買えたのは牛乳とパンとハム。牛乳はボトルやパック入りではなく、プラスチックの袋入り。言葉がまったく通じずコップもストローも手に入らなかった。仕方なしに、端っこをちょっと切ってチュウチュウ吸って飲むことに。そんな食事をしながら、シュリーマンが18ヶ国語喋れたことを父に聞いた。

シュリーマンは語学学習のために、その言語を知らない人を雇って定期的に来させ、発音を聞いてもらったそうだ。それは怠け心を起こさないため。英語もロシア語も全く通じないドイツの田舎で生まれたシュリーマンを考えると、語学の学習を環境のせいにできないと思った。その日は結局生家に入れなかったが、気づきは得られた。

…コロナによる外出規制後、家にやや引きこもりがちななかでフランス語学習中の今の私には、ちょっと耳が痛い話。

そんな感じの69日目。旅は残り31日。

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