見出し画像

【1989年100日旅】95日目。インヴァネス

1989年7月9日は旅の95日目。ハイランズの首都インヴァネスに到着。きりっとした空気に目が覚めるが、曇天で街は眠ったようにひっそりとしている。赤いレンガ造りの2階建てや、出窓のあるかわいい家が並び、人々の静かな生活を感じる。歩いていると、筋肉の盛り上がった黒い犬が近づいてきた。

黒犬は何かやったわけもないのについて来て、時折前に立ち「こっちだ」と言わんばかりに尻尾を振る。ついていくとネス川沿いの石畳の遊歩道に出た。聖アンドリュー大聖堂、ネスバンク教会、インヴァネス城の、赤黒く重厚なレンガ造りの建物を、賢い従者を従えて眺めた。

その後ネス湖の遊覧船に。街と対照的な元気のいい船長で、ソナーを見せ「数日前からここに大きな塊が映る。ネッシーは死んだのかも!」と話す。黒い湖面はぬめぬめと波打ち、人智を超えた生き物が棲んでいても不思議はないと感じた。体が冷え、降船後は湖岸の店に飛び込んだ。

こんな感じの95日目。旅は残り5日。

最後まで読んでくれてありがとう。気に入ってくださったら、左下の♡マークを押してもらえるとうれしいです。 サポートしてくださったら、あなたのことを考えながらゆっくりお茶でもしようかな。