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【往復書簡】好きな匂いは何ですか?

のんちゃんへ。

今、犬の散歩から帰ってきました。のんちゃんの今回の質問は「エクササイズをしているか」だったけれど、やってます! フランスでは5月11日までは少なくとも外出禁止が続くと決まったけれど、家から1時間1キロ以内の運動はOKだから、犬のために1日1回は散歩に出ます。(でも、行ける範囲だと荒野と野原と森と住宅地しかないの。だから、のんちゃんの本屋さんからの帰り道の風景のシェアがうれしかった。)
 
他にも週2回くらい、家でヨガとかブートキャンプとかボクササイズなどをやっています。年間会員になっているジムが、オンラインでレッスンをやっているので。のんちゃんは縄跳びを始めたとのことですが、フランスでは学校で縄跳びをしないので、普通の前跳びもできない人がたくさんいるんですって。夫もできない。前飛びできるだけですごいんだよ、のんちゃん! 私も前跳びならできる。イェイ!

そして、のんちゃんが今読んでいるのは朝井リョウさんなのね! 『桐島、部活やめるってよ』『何者』『星やどりの声』『チア男子!!』『世界地図の下書き』は読みました。文章がとても読みやすくて、きれいですよね。そしてたしかに、青春を描くのが上手。『もういちど生まれる』は未読だから、読んでみます。青春小説といえば、私が好きなのは佐藤多佳子さんの『一瞬の風になれ』です。

リモート会議、ついにテレビ業界でも導入が始まったのですね! 私の取引先も続々とリモート会議を導入し始め、今まで参加できなかった会議に参加できるようになりました。うれしい。
「これでいつでも旅に出られるじゃない」って、きっと多くの人が思ったはずです。それで良いんじゃないかなあ。リモートにはリアルにないメリットもいっぱいあるし、状況が変わっても使い続ける人は多いのではないかなと思います。

でも、リモート会議に決定的に足りないものはあるよね。のんちゃんも「会って話す方がテンションが伝わりやすい」って書いていたけれど、私にとってリモート会議に足りないなと思うものは匂いと温度と湿度です。

私たちはたぶん、無意識に匂いや温度、湿度でもコミュニケーションをしているんじゃないかな。ちょっと前まで誰かがいた部屋って、もう誰もいなくても何か気配でわかるし。(フェチっぽいけど残り香もめちゃ好き。)たぶん、会議でみんなが盛り上がったら室温や湿度も少し上がるだろうし、誰かが興奮してドーパミンを出せば、それが他の人に鼻を通じて伝搬することも、ありそう。

嗅覚や肌感覚からの刺激って、すごい重要な情報だと思うのです。今後はこの習慣は消えるのかなと思うけれど、挨拶として握手とかほっぺくっつけるキスとかハグとかをするのは、そういうコミュニケーションという意味があったんだろうなあ。人と2m以上の距離をとって生活する暮らしを1ヶ月してみて、そういうことが足りないなあと思っています。

嗅覚情報のバラエティが足りなすぎるから、最近いろんなものをくんくんしています。犬の散歩中にはハーブを摘んで香りを嗅ぎながら歩くし、今までは外出する時にしかつけなかった香水をとっかえひっかえつけています。今一番好きな匂いは、ひなたに寝ていた犬のおなかの匂いです。

ということで、のんちゃんが今、好きな匂いは何ですか? (あまり聞かれたことがなさそうな質問ができた気がする!)

さやかより

追伸:トップの写真は、モンペリエの街中の、アートがちょっと多いエリアで撮った、郵便受けのある風景です。この後は、郵便受けのある風景ではなく、「郵便受けを探せ」になっていきます…

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