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さやか星小学校のSWPBS

さやか星小学校 教務主任・第1学年担任 島岡次郎

SWPBS。これは、School-Wide Positive Behavioral Support(学校規模ポジティブ行動支援)の頭文字を取った言葉で、さやか星小学校の中核をなす取り組みです。不適切な行動を叱ったり罰したりして減らすのではなく、ポジティブな行動を強化して増やす取り組みを、学校規模で行うという考え方です。ポジティブな行動が増加すると、同時に自発することが不可能な不適切な行動は相対的に減っていきます。例えば、「着席して課題に取り組む」というポジティブな行動が増えれば、「授業中に離席する」という不適切な行動は減少します。では、どのような手立てを行えば、ポジティブな行動を増やすことができるのか。さやか星小学校での取り組みをご紹介したいと思います。

現在、低学年では、「さやか星チャレンジ」というPBSに取り組んでいます。これは、「先生より早くあいさつをする」や、「朝の準備を3分以内にする」のように、全員に身に付けてほしいポジティブな行動に対してポイントを付与し、貯めたポイント(さやかPay)に応じて色々なバックアップ好子を獲得できるという取り組みです。行動分析学の用語で「トークンエコノミー法」といいます。身に付けてほしい行動を、誰もが評価可能な明確な基準で記述することや、連続強化できる高さのハードルの行動にするなど、緻密に計算をした上で導入する必要がありますが、その効果は絶大です。例えば、朝の挨拶です。「次郎先生は、みんなが教室に入ってきて、3秒間が経ったら『おはようございます』と言います。その前に、自分から『おはようございます』ができたら1ポイントゲットです。」と子供達に伝えました。次の日、ほぼ全員の子供が大きな声で「おはようございます!」と言いながら入って来ました。挨拶のことを忘れてしまうお子さんには、教室に入る前に瑞木先生から「次郎先生より先に何て言うの?」とプロンプトを出してもらい、確実に強化できるようにしています。もう少しすると、このプロンプトも撤去できるでしょう。

各児童のポイント表

先日、子供達は初めてポイントを使いました。ポイントを使って手に入れたバックアップ好子は、「3分間、黒板にお絵描きができる」というもの。普通、黒板にお絵描きをしたら怒られます。でも、自分たちで手に入れたポイントを使ってお絵描きをするこの時間は、そんな心配をする必要は一切ありません。子供達は、理事長先生のアメリカ土産である極太チョークを使って、思う存分黒板にお絵描きを楽しみました。「次は、20ポイント貯めて1日列の先頭をゲットします!」と目を輝かせていたA子さん。学級全員で取り組むチャレンジや、完全に個別の目標へのチャレンジもあるのですが、それはまた次の機会に。

さやか星小学校が、霞ヶ関駅の構内通路を広告ジャック!本日から7月4日までの掲示です。みなさん、是非ご覧ください。