書くことは生きること。

私たち創作者にとって、書くことは生きることだ。

何かを書いているとき、私たちの意識は書いているものに集中している。目の前のものに、ただ、集中している。
それは「今、ここ」を生きていることに他ならない。

小説や空想、過去や未来のことを書いているときはどうなのだ、と思うかもしれない。もちろんそれらも「今、ここ」だ。
なぜなら空想しているものは、空想している間、確かに目の前にある。それを一番感じ取っているのはあなた自身のはずだ。
過去や未来について想いを馳せるとき、あなたは必ず「現在から見た」過去や未来を考えている。それは自分が現在、「今」に居ることを逆説的に強く感じさせてくれる。自分が現在に居るからこそ、過去や未来があるのだ。

生きることは、「今、ここ」に集中することだ。書いている間、私たちはありのままの現実に対して、心からの「イエス」を言える。「まあ、これがここにあるのは、事実だしな」と現実を認められるのだ。それが「今、ここ」に集中するということだ。

あなたが現在に居るとき、世界は真に生き生きとする。「ああ、とてもたくさんのことがある」。世界に対して目が開くと、心が開くと、それが認識できる。創作とは瞬間の悟りだ。今この時、それが一切であり、すべてがある、と悟ること。そんなとき、私たち創作者は、どうしてもそれを書きたくなる。じゃないと消えてしまう。もったいないと思う。そういう生き物だ。

そうやって世界を知覚すること、「今、ここ」に向き合うこと。そんなとき、「生きている」という感じがする。それが書くことによってもたらされる。

だから書こう。そしたらきっと、今を生きることができるから。

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