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7.仕込み作業

編集部では(というか私は)、撮影素材と録音素材を合わせる作業をバラシと言っていました。

現場だと、バラシとは片付けることだそうですが、編集では素材を整理していく段階でこの言葉を使います。

フィルムの時の感覚でこういうのだと思います(憶測ですが)。
ちなみに、今の若い子はもう使わないんじゃないかと思います。

音の仕込み

インポート時、フレームレートに気をつける

画よりも先に、音が来ることがほとんどです。
音のバラシを始める際、先に記したフレームレートが重要になってきます。

オールスタッフで確認したフレームレートで、編集ソフトに取り込んでいきます。

インポート時、AVID だとフレームレートを聞いてくることがあります
(こない時もありますが)。
その時に、録ったレートと違う設定を選んでしまうと、
そのデータが持っているメタデータ(TC や録音日時などの内蔵データ)
が壊れてしまうので注意しましょう。
ここを間違えると、後で大惨事になるので本当に注意が必要です。
 
インポートしたら、記録さんからの送り(私はいまだにネガ送りと言ってしまいます)と、録音部さんの録音シートを見ながら、
音のカチンコ(=ボールド)を拾っていきます。

頭でカチンコを打っているときはそこにイン点を、尻ボールドならそこにアウト点を。
2キャメならAキャメ、Bキャメそれぞれをロケータ(マーカーとも言います)で打っていったりします。

画の仕込み

そうこうしていると、編集用に小さなデータに圧縮された画のデータが
上がってきます。
AVID だとmxf(Material eXchange Format)形式で上がってくることが
多いですし、ファイナルカットだとQT(QuickTime)形式で
上がってきます。

画の方でも、カチンコを打っている瞬間を拾って、音と合わせていきます。

昔はカメラマイクが付いていなかったので、音のないものがほとんどでしたが、最近は撮影時にカメラマイクを生かしてもらい、カチンコが画に入っていなかった時用の保険にしています。

次に記録さんのシートを基準に、現像所の指示を踏まえながら、クリップネームを振っていきます。

最近は、本編集や合成の時にソートしやすいようにと、S#1-1-1 は
001-001-01 だったり、001-01-01 だったりと、クリップネームの付け方が
指定されることがあります。

2Cam や3Cam が多くなった昨今は、クリップネームのお尻にAやBというカメラの種類を付けることが多くなりました。

さて、ここまではの流れはすでに昔の仕込みの方法になってきました。
現在は撮影時に画と音のTCを合わせて録画・録音することが
増えてきました。
そのため、TCで画と音を同期して、一気に1つのクリップを作成できます。

とはいえ、TCをシンクさせる機材の調子がおかしかったり、壊れてしまうこともあるので、現場でカチンコ打ってもらい保険にしましょう。
カチンコのない音付け作業は、何倍も時間がかかります。

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