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5.ラボと素材管理

ラボ(現像所)とは

ラボとは、フィルム撮影が中心だったころ「現像所」と呼ばれていました。

フィルムの現像が主な事業となる会社で、そこにはフィルムに関するプロがいました。

フィルムの現像、オプチカル効果を付ける職人やフィルムの焼き具合で色を調整するカラリストと呼ばれる人、字幕を焼き付ける部署など、フィルムの映画を作る場所でした。

デジタル撮影が普及し、ラボの業態も変わってきました。
以前、一世を風靡したところであってもデジタル化の波に乗り遅れた現像所は、縮小していきました。

そこに変わってデジタルに強い仕上げ作業ができる会社が出てきたから
です。

素材のバックアップ・管理方法の確認

ラボには主に撮影素材の保管、管理をしてもらいます。
(他にも、本編集やカラーグレーディング、納品データの作成なども行うことが多いですが、まずは素材管理から)

ラボ所属のDIT、もしくはフリーのDITが現場に付き、撮影マスター素材のTC、クリップネームの管理、マスターデータのバックアップをしていきます。

デジタルに移行した当初、DIT というパートが確立されていなかったため、その作業を編集部が請け負わされた時がありました。
現場から収録カードやHDD を受け取り、編集助手がバックアップ用のHDD へコピーし、編集用のワークデータを作成していたのですが、
マスターデータの管理、バックアップ作業、ワークデータの作成は
編集部の仕事ではありません。

マスターデータをコピーする際、普通のやり方ではきちんとコピーされない場合があります。
正確なコピーの技術が必要です。

編集部には、その技術もなければ、万が一マスターを消してしまった場合、責任を取る能力もありません。

現在、DIT やDIT が所属する会社では、マスターデータに保険をかけ、事故やミスでデータを消失させた場合は再撮のためのお金が出るようになっています。

編集部がやるべきことは、きちんとバックアップがとられているかの
確認です。
マスターと同じものがもう一つ以上、別のHDDや記録媒体に保管されているかどうか。
可能ならば2つ以上が理想です。

ラボに撮影済みのフィルムやデータが入って、

フィルム撮影の時代なら → ポジフィルムに焼いたもの
データ撮影の現代なら → 編集用に軽いデータに変換したもの


が作られます。

編集用データの圧縮率は、エディターと相談して決めましょう。
それが編集室に届く日程を日々やり取りしていきます。
ラボには「業務・営業」という部署の人がいるので、その人とスケジュールのやりとりをしましょう。

その後、本編集、グレーディングや、試写室でのプレビューの日程、
さらに、そこまでに何のデータを出せばいいかなどを話していきます。

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