ほんとうにせかいをまっさらにみているか?
長文読解の国語の読解問題のストーリーやフレーズが、心にぺたりと貼り付いてしまったことがある。
チャイムの音と同時に否応なしに、物語のごく一部だけをするっと抜き出したものと向き合って、時間がたつとぱっと見えなくなってしまうから、続きが気になって仕方ない。出典をメモするのを忘れると、調べようもなくなって、トラウマみたいにもやもやした記憶として残る。そんな話がいっぱいある。
あの日の古文もまさにそれだった。
人物Aが、人物Bに手紙を書いている。Aは都に、Bは人里離れた山奥の寺