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運動をして幸せになる


運動は体のためではなく、心のためにするもの?

村上春樹さんや松浦弥太郎さんがマラソンを心の拠り所にしていたり、尊敬する経営者の先輩が過酷なレースに出ていたりするのをみて、「きっと社会で活躍する人はマゾヒシズムがあり、それが故に運動にも力を入れて挑戦を続けるんだろう、私はそこまでストイックにはなれないなぁ」などと考えていた。
私は、運動が体によい、ということは知っていたけれど、頭に良い、心に良い、というのは知らなかったのだ。これはあまり知られていない真実なのではないだろうか。
そう考えてみると上記のようなすごい集中力を使うすごいアウトプットを出されている方が頭や心のために運動をしていたのかもしれないという新しい仮説を持つようになった。

運動をすると脳や心にどんな変化が訪れるのか
私自身も、妊娠出産後の長期的な体調不良を解消するために、専属のコーチをつけて水泳に励んだりピラティスを行ったりした。自分で500m程度なら泳げるようになって家にもセカンドハウスにもヨガマットとストレッチポールを常備し時間があれば適度に身体を動かす習慣ができた頃には運動の素晴らしさを実感していた。特に水泳後にハイな気分になった時、その時は感覚が敏感になってご飯を美味しく感じられたり外の匂いに敏感になるときの気分、ヨガの後の自分の身体の感覚を取り戻せ心が軽くなったと感じる時、運動って素敵だなと思うようになり、現在でも週に2回程度は継続的に運動するようにしている。

また気象病を患っているため、梅雨の時期や台風時期など頭痛があり、気持ちも落ち込み気味になるのだが、朝から軽い運動をしたり、体を動かしながら仕事/作業をすることによってそれらが和らぐことを発見した。

あとから本を読んで知ったことだが、運動をすると内因性カンナビノイド、内因性オピオイド、エンドルフィンなどといった神経伝達物質が分泌され、これらは、抗うつ剤/大麻/マリファナなどと同じような作用を及ぼし多幸感に影響しているらしい。実際に、イギリスの国立医療技術評価機構が作成したうつ病の治療ガイドラインでは、軽度〜中等度のうつ病患者に対して、患者の希望に合わせて「運動療法」か「認知行動療法」あるいはその両方を行うことが推奨されており、日本においても、2016年に日本うつ病学会が発表したうつ病の治療ガイドラインの中で「運動療法」が紹介されている。

運動を自然のなかで行うとより大きな効果が
運動をするだけでも多くの効果があるのだが、自然の中で行うとより大きな効果があると各研究で明らかになっている。私もできれば外でヨガやウォークングをするように心がけているが、森の匂いや鳥の声,風の感覚など五感を使って体を動かすことでより心がリラックスし、その後スムーズに集中状態に持っていけるように感じている。

自然が心身に好ましい影響を及ぼすメカニズムの一つとして提案されていることに、「フィトンチッド」と呼ばれる生物活性物質の働きがある。フィトンチッドは、植物が傷つけられることで放出する殺菌力のある揮発性物質であり、森のなかにはフィトンチッドが溢れている。動物実験では、免疫力が高まる、ストレスが緩和される、不安に関連した行動が減るなど自然が人に与える影響とよく似たことが確認されている。
「頭を良くしたければ体を鍛えなさい 脳がよろこぶ運動のすすめ」(著者:陳冲、望月泰博)
心理学では、自然のなかでおこなう運動を グリーン・エクササイズ と呼ぶ。どんな運動であれ、屋外で体を動かし始めて5分もすると、気分が明るくなり、楽観的になることがわかっている。人間の脳は、自然とふれあうことで認知能力が伸びる。屋外で活動的に過ごすことによって、私たちはマインドフルネスの状態になりやすく、自分よりも大きな存在とのつながりを感じやすくなり、人間が本来もっている喜びに目覚めるのだ。(中略) ランナーズハイとは異なり、グリーン・エクササイズによる向精神作用はたちまち表れる。ところが、内因性カンナビノイドやエンドルフィンなど、高揚感をもたらす脳内化学物質は急激には増加しないため、脳内化学物質の効果としては説明がつかない。むしろ、自然のなかにいると脳内でスイッチが入って、心の状態が切り替わると言ったほうがいいだろう。
「スタンフォード式人生を変える運動の科学」(著者: ケリー・マクゴニガル)

運動の習慣化が大事(だけど難しい)2021/6追記
上記のように運動の重要性は明らかなのだけれど、なかなか続けるのが難しい。それは運動に依存性が少ないからではないかと思っている。プール、サウナなどは(自分分析によると)ノルアドレナリンやドーパミンのようなホルモンが出ているので、そこそこ依存性があるが、朝の外でのヨガなどはセロトニンが出るが、セロトニンは依存性が少ない。それが良い面でもあり、習慣化しずらいという意味では悪い面でもある。
おすすめの方法は、自分で場所や時間やり方などいろいろ試してみて、その都度自分の身体や心の声を聞き、気持ち良いもの幸せになれるものやる気ができるものなどをカスタマイズしていくこと。
私の場合は、朝、外で、ハワイ系音楽を流しながら、頭で考えずに呼吸や身体に意識を向けるように気をつけながら、ゆっくりストレッチをする(10分以上)とすごく幸せでやる気が出てくる。セロトニンは5-15分の軽い運動や呼吸法で放出されるとのことなので、おそらくセロトニンがすごく多く出ているのだと思う。自分なりのセロトニンポイントを見つけて継続していくことが幸せを自分で作る上で一番簡単で確実で無理なく自然な方法なのかなぁと思う。


人生を豊かに生きるためのテクニックとしての運動
私は昔から気分のムラに悩まされてきた。特に高校、大学の頃が一番気分のムラが大きく自分をコントロールするのが難しかった。その分その時期が一番クリエイティブでいられたような気もしていた。生活に大きな支障が出るほどのうつ病ではなくても定期的にどうしようもなく落ち込んでしまったり悩んでしまったりする事は女性には特によくあると思うし、人生には自分ではコントロールできないOptionBがあるものでそのような状態になれば誰だって前向きな気持ちを維持するのが難しい。そんな時、違う方法で自分を立て直す方法を1つでも多く知っている事は人生を幸せに生きるための大事なテクニックだと思う。
(小学校では、サッカーやドッチボールなど教えるのも良いけど、できたら、上記のような観点で運動を教えてくれていたら良かった。運動が自分の人生を自分でコントロールできる方法の1つなんだって教えてくれていたらよかったのに)

まとめ
以上、あまりまとまりがないけれど、運動がどれだけ心と体に良い影響を及ぼすか書いてみました。最近私は隙間時間があればストレッチポールとヨガマットを使って体をほぐしたり、外を散歩したり、プールに行ったりするようにしてます。心と身体との対話を大切に。




参考文献
「スタンフォード式人生を変える運動の科学」(著者: ケリー・マクゴニガル)「頭を良くしたければ体を鍛えなさい 脳がよろこぶ運動のすすめ」(著者:陳冲、望月泰博)の二冊と
「セロトニン脳健康法」

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