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「英語を話せる」とは? ネイティブスピーカーのように話すこと?

今回はワーホリを2ヵ国して英語のネイティブスピーカーとノンネイティブスピーカー両方と働いて思った「英語を話せるとは?」についてです。


まず、私はカナダとイギリス2ヵ国でワーホリをしています。両方の国では周りの人に大きな違いがあります。

例えば...

・カナダの職場
ホテル→同僚はほぼカナダ人
カフェ→同僚は全員カナダ人

・イギリスの職場
ホテル→同僚はイギリス人が少し、他のヨーロッパの国の出身者が大半
カフェ→同僚は日本人が大半、イギリス人1、他の国の人1


・カナダで一緒に暮らした人
カナダ人、日本人(会話は英語)

・イギリスで一緒に暮らしている人
イギリス人家族


・カナダでの友達
ほぼカナダ人

・イギリスでの友達
イギリス人、日本人、他の国の人


カナダではネイティブスピーカーだらけに囲まれていましたが、イギリスのロンドンに来てからはノンネイティブスピーカーが多くなりました。


ネイティブスピーカーと話す利点

ネイティブスピーカーと一緒にいることで圧倒的な英語のシャワーを浴びます。

聞いたらわかるけど自分の口からは出てこない言葉や言い回しをガンガン浴びることができます。

カナダでカナダ人に囲まれて生活していた時は、1日に1回は心の中で「なるほど!そう使うのか!」と思う瞬間がありました。

会話は止めずに自分も返答しながら、でも相手が言ったことを心の片隅に覚えておいて自分のストックにします。

中には面白い言い回しもあり、違う人と話す時に使うこともできます。

カナダで一緒に住んでいた大家さん(イギリス出身でカナダに移民した)ともよくおしゃべりしましたし、language exchange* を通して知り合ったカナダ人の友達の中には家族ぐるみで仲良くしてもらったりと、英語のシャワーを1年浴び続けました。

※language exchange お互いに言語を教えあうこと
ex.日本語を勉強しているカナダ人と英語を勉強したい日本人がカフェで会って話しをしたりする。


ネイティブスピーカーと話す、働く、暮らすことのメリットは「英語を丸ごと盗める」ことです!

スラングや汚い言葉でなければ安心して真似をして自分のものにしていくことができます。

カナダに行く前に自分で英語はやっていたので会話もスムーズに出来ていたのですが、1年英語のシャワーを浴び、自分の中にストックをして、真似をすることで英語はメキメキと右肩上がりに伸びました。

ノンネイティブスピーカーと話すこと

カナダにいた時はノンネイティブスピーカーと話すことはそこまでありませんでした。ホテルに数名だけ他の国出身の人がいましたがほとんどはカナダ人だったからです。

イギリスのロンドンに来てこの割合が逆転しました。ロンドンは世界中から人が集まるところなのでノンネイティブスピーカーが多いです。

そもそも世界中で英語を使う人は、第二言語として英語を使うノンネイティブスピーカーが大半です。

働いていたホテルの同僚のほとんどはイギリス人ではありませんでした。


正直に言うと、最初はかなり戸惑いました。

仕事を教えてくれたのはJose(ホセ)というスペイン出身の同僚だったのですが、アクセントが強すぎで何を言っているのかわからない...。

ミーティングの時も他の人が何を言っているかわからないことも結構ありました。

でもアクセントは慣れます。1週間もすると何を言っているのか段々とわかるようになりました。

アクセントの他には文法的なミスもあります。

同僚のイギリス人は「文法はけっこう無視で単語だけ直接言ってくる人もいる」と言っていました。「こういう意味だろう...と予想しながら話している」と。

ロンドンで仕事を始めた時は「慣れない仕事」だからというよりも「周りの人の英語に慣れない」ことによる疲れの方が大きかったです。

推測しながら会話をするので疲れるのです。カナダでは起きなかったことです。

英語力もまちまちで、電話をとって相手が何を言っているのかわからない時に"Sayaka, help me. I don't understand. Your English is better. "(わからないから電話を代わって)と丸投げしてくる同僚もいました。(これは英語力以前の問題でまず聞き返せ!って感じですが笑)

これは英語でどう言う?と聞かれたり、伝わらない時は簡単な言い方に変えたりしました。


英語環境で働くのが初めてというフランス人同僚との会話

同僚 How are you?

私 Good. you?

同僚 ???

私 I'm good. How are you?

Good. you?もよく使いますが、省略せず定型文で返した方がわかりやすいんですね。


別の同僚との会話

私 Please grab 〇〇(人の名前)
〇〇呼んできて。

同僚 ?

私 I need 〇〇. please call him.
〇〇が必要だから呼んで来て。

同僚 ok!

grabを使ってちょっとカジュアルに「〇〇呼んで来て」と言ったら通じませんでした。


私以外の同僚には母国語で会話する相手がいたので(フランス、スペイン、イタリアなど)それに甘えているようにも見えましたが。わからなくなったら母国語で話しはじめていました。日本人は1人だったので日本語で話す相手もなく同僚たちの会話(母国語での確認作業)が終わるのを待っていました笑


(正直に言うと、ロンドンのホテルは常に人が足りていないので英語力がめちゃくちゃ高くなくてもおそらく仕事は手に入ります。)

ロンドンのホテルに泊まりにくる人の多くも他の国からの旅行者なのでネイティブスピーカーではありません。

中には全く話せない人もいます。そういう時は、ゆっくりと簡単な英語で話します。

英語が話せるということは?

そんな毎日を送っているうちにあることを考え始めました。

「英語が話せるってどういうことだろう...?」


英語力を伸ばすという1点においてはネイティブスピーカーと話すことが1番の方法で、これに取って代わるものはありません。

でもノンネイティブスピーカーと話すことの方が多いと「伝わること」が最優先になります。

その代わりに簡単にわかりやすく言い換えられることが必要です。(ネイティブスピーカーと話してたくさんの英語を培うとこの言い換え作業も簡単にできます。)

代わりの表現を知らない人はこちらが聞き返しても全く同じことを同じ言い方で言ってきます。推測しながら聞かないとさっぱりわからないこともたくさんあります。


そして実感したことが一つ。


ネイティブスピーカーと話すと単純に英語力が伸びていく。

ノンネィティブスピーカーと話すと「伝わることが最優先の英語」が伸びていく。


私がイメージしたのは、ネイティブスピーカーと話す時は縦に伸び、ノンネイティブスピーカーと話すと横に広がっていくイメージです。


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「英語が話せる」というとネイティブスピーカーのように話す、たくさん単語やフレーズを知っている、発音が綺麗などを思いつくかもしれません。

私が英語を話せるようになりたいと思った時に目指したものもそれです。ある程度は達成出来たと思っています。


でも、ロンドンに来て「英語が話せる」の概念が変わりました。


英語を口に出来てある程度の意思疎通ができるなら「英語を話せる」人です。

なのでほとんどの人は英語を話せます。


発音が綺麗、文法のミスが少ない、表現や言い回しが自然、

これらは「英語が上手い」に該当すると思います。


グラフの縦軸で上に行くことしか見ていなかった私がロンドンに来た時は、同僚たちの英語に「なんだその英語は...」と思ってしまいました。

英語ちゃんと話せてない人多いじゃん。と少しがっかりしたことを白状します。

がっかりというか、理解に時間がかかり仕事に影響があるのでめんどくさいなと思いました。

多国籍の人と働くのはきっとこれが普通なのだと思います。


世界での「英語が話せる」の定義はかなり広いです。


私はロンドンに来てからグラフの横軸もかなり伸びました。


broken English(間違った英語のこと)を毎日聞いているネイティブスピーカーに「英語上手いよね!」や「ずっとこっちに長く住んでると思った」と言われると、それ相応の努力をしたのでもちろん嬉しいですが、昔ほど感動がなくなりました。もちろん自分の努力は誇らしく思いながら心にしまっておきます。

まだ上にも伸ばしたい。でもロンドンは上に伸ばすには少し難しいところです。


1回目のワーホリは上に英語を伸ばし、2回目のワーホリは横に英語を伸ばしたので、ま、いいかなと思います。


英語は人と話すために使うものなのでgood enough(まぁ良いでしょう)のレベルならそれで良いのです。

(仕事や環境によってgood enoughのレベルは違うはずですが)


英語が上手くなりたい人、グラフを上に伸ばしたい人は自分でもっとやれば良いだけで。


以上、少し長くなりましたが、「英語が話せるとは?」についての持論でした!

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