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私だって、そうなっていた可能性がある。そんな気持ちで…
貫井徳郎さんの『乱反射』という小説ご存知ですか?「まあいいか」という軽い罪ってありますよね。その小さな罪が重なって一つの大きな罪になり、子供の命が失われてしまうお話です。
読後感は悪いです。
なぜなら、その小さな罪って私も思い当たる節があるから。完璧な人間なんて、いない。つい嘘はついてしまうし、自分をよく見せようとするし、駐輪場じゃない場所に自転車を短い時間だから、「まあいいか」と停めたこともあります。
ダメですよね。正しくない。「まあ、いいか」は本当はよくない。その、「まあ、いいか」はきっとほとんど全人類の中にあって、それがたくさん重なると、悲劇が生み出されることがあります。
なぜ、この話をしているかというと車内に取り残された2歳児の女の子が亡くなるニュースを観て思いだしました。
父親は3人の娘さんを保育園に預けたと思い込んでいて、でも実際には長女と三女の2人は預けたけど、次女は預け忘れ車内に置き忘れてしまい、亡くなってしまった事件です。
その日は母親が仕事で、お父さんは仕事でテレワークもありながら、子供の送迎をすることになったんです。
次女を『保育園に預けた』
父親は、そう思い込んでいました。保育園の担任は、欠席には気づいていたものの、他の保護者の対応により、連絡の確認が出来ていませんでした。
寝不足だったり、あまりにも疲れていると、脳にエラーがおこって記憶が飛ぶし、正常な判断ができなくなることがあります。自宅でテレワークをしていた父親、激務であろう保育士さんも、そうだったんじゃないかと思います。
ニュースやワイドショーでは保育園側に罪があるようなことを言っていましたが、欠席連絡しない保護者は日常茶飯事だし、1人でたくさんの子どもたちを抱えながら仕事していて、いつも完璧には難しいです。担任を支えるサポートがあったのか気になります。
土曜日、母親が仕事になった。父親が送迎をすることになった。保育園は連絡確認が出来なかった。新興住宅地で保育園の整備が追いつかない状態で、3姉妹を別々の保育園に預けることになってしまった。天気が晴れで20℃を超えていた。
いくつもの悪い偶然が重なり、起こってしまった悲劇。この、悪い偶然が重なる悲劇は居た堪れない気持ち、やるせなさがあります。
じゃあどうしたらよかったのか、なんてみんなが考えているはずなのに、無くならない繰り返される車内の置き忘れ。
哀しすぎる事件でした。
仕事を辞めて専業主婦になってから「お金」のことを考えるようになりました。「応援」や「御礼」のためのお金は、会社員で得た収入の100倍くらい嬉しいです。あなたの勇気や心づかいに感謝しています。