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なんで子供が欲しかったのか。

そもそも、子供好きな人間ではない。


僕はもともと子供好きな人間ではない。

公園で奇声を上げる子供達。
電車で泣きわめく赤ちゃん。
幼稚園のバス待ちで走り回る園児達。

あからさまに態度で示したり、表情に出したりはしないにせよ、子供という存在に少なからずストレスを感じていた。

誤解の無いように言うと、子供が嫌いなわけではない。
「自分にもそんな時期があった」ということは理解している。
ただ、接し方がわからない。子供に好かれるタイプの人間ではない。そして、興味が無い。なので「騒がしい生き物」という感じで見ていた。

それでもなぜか、義務感からか、「それが普通」という価値観の刷り込みからか、結婚後は子供を作って育てていくんだろうと何となく思っていた。

僕はなぜ子供が欲しかったのか。


結婚した相手は「子供は産まない」という考えの人だった。
子を産むのは僕ではないのだから、しょうがないか。
そう思いつつも、心にはしこりが残った。

結婚生活は山あり谷あり、楽しくなかったり、楽しかったりした。

30代前半まではお互いに苦難の時代で、仕事や体調面、精神面、多くのことが上手くいっていなかった。喧嘩もよくしたし、離婚という言葉も出たりした。それでも、なんとか頑張っていると仕事も上手くいきはじめ、心身ともに健康になってきた。

30代半ば子無しダブルインカム。余裕はある。平和だし。
休みごとに旅行に行ったり、美味しい物を食べたり、買い物したり。
そんな楽しい日々が続いた。そして飽きてきた。
楽しいけど、自分を満たすことに飽きた。超飽きた。
そもそも、物欲も食欲も無い方だし。

何というか、生活を変えたかったんだと思う。
僕の人生の次のステップに進みたい。
子供というものにも愛情を注いで育てたい。

つまり、
「自分を満たすために子供が欲しかった。」
という身勝手な理由なのだろう。

妻はなぜ子供が欲しくなったのか。

妻も30代半ばになり色々思うことがあったようだ。
子供が欲しいと言い出した。

「あんなに要らないって言っていたのに、何がそうさせた?」
と聞くと、
「将来、子供を作らなかったことで後悔しそう。」
ということだった。

これも、ある意味では身勝手な理由かと思う。

しかし、皆なんで子供欲しいと思うのだろう。
世間の大多数の人は僕らと同じく、大した出自でもなく、継がすべき会社も財産も無く、激レア少数民族最後のつがいというわけでもないだろう。

結局のところ本能なのかな。

我々含む「子供が欲しい」と思う人たちは子孫を残す本能が強めに残っていて、体が老いてくると(=子づくりのタイムリミットが近づいてくる)その本能が強くなるんだろうな。

僕も妻も結局のところ、
「間に合わなくなっても知らんぞーっ!」
という本能の叫びに素直に従ったのだろう。

とても動物的で馬鹿っぽくて素敵だと思う。
身勝手な理由なんて後付けだ。

明後日、妻と子が家に戻ってくる

妻は母性本能の傀儡状態で狂ったように子を世話している。
僕も本能のままに「かわいいねぇ~」と電話越しに愛でている。
子は本能のままに食う、泣く、寝る、出す。を繰り返している。

子育て初期の家族に理性って無いのかな。

以上
















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