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白骨化スマホ ショートショート

貴方の骨を食べて死にたい。
人生で初めてである推しが死んだ時、私は咽び泣きながらそう思った。

男らしい喉仏と艶やかな長髪、特徴的な切長の目にある火傷の後。何にも形容できないその姿を画面越しに始めて見た時、私はナニかに落ちた。

web連載されていた推しが出ていた漫画は月曜更新で、日曜日の憂鬱が彼と出会ってから消えた。

正直最初は、彼の厳しい態度が苦手だった。
しかし、それは主人公への期待の裏返しだと知った。その不器用な愛情が愛おしくなり、私は内面までも好きになった。

彼は二次元の存在で、骨を喰らうことができないのはわかっている。目元の熱が頭に上り始め、気がついた。スマホを白骨化させればいい。

彼を喰らえないなら、彼がいた媒体を喰らえばいい。そうと決まれば話は早い。
ホーム画面にいる壁紙の彼に別れを告げて、ドライバーで液晶を打つ。彼の笑顔にはヒビが入り、そのまま画面が黒くなる。

このまま彼をミキサーにかけよう。冷たく、冷静な思考が脳に上った熱さを喰らっていった。

(426字)

あとがき

我ながら鮮やかな怪文書である。先週の分が時期に投稿されます。

たらはかに(田原にか)様の企画に参加させていただいています

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