アナログ巌流島 ショートショート

数年前から世界あちこちでとんでもない干ばつが起こり、食糧問題やらで世界は混沌を極めていた。この荒れた世界を元に戻そうと世のお偉方は、アナログにも雨乞い師を国として雇用することにした。

この巌流島が雨乞い正規雇用審査会の最終決定の舞台に選ばれた理由として、島の歴史的な観点に加え、島なので天気による大きな影響が周りに及ばないというのもあったらしい。

今日は天気予報の降水確率も0%。かなりまずい。私は他の雨乞い師と違い、踊りを踊ったり、神に交信したりなどできない。それに第一
「次の方どうぞ」考えの中、係の人に呼ばた。

会場には沢山の記者と、研究者と、政治家がいた。人々から強すぎる期待が集められる。
「やっぱり無理ですよ。私」全ての不安感を吐き出しそうになったとき、ポツン、と額に水が当たった。

しばらくして辺りにはバケツをひっくり返したような雨が降った。周りで歓声が上がる。
「私の雨女もここまでとは」私は複雑な気持ちになった。

お題 アナログ巌流島      (408字)

あとがき

歴史に疎い私は巌流島がどんな島なのか、このお題で知った。今は釣り人の人がいっぱいいる、らしい。

たらはかに(田原にか)様の企画に参加させていただいています。

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