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今が大切。今は、二度とこない。

こんな時間も
こんな思いも
結局は今だけなのだ

やさしく
心配して
色々してもらえるのも
今だけだ

お父さんもお母さんも
死んでしまったら
私はもう
ずっとひとりなのだから

私は
自分の時間を細切れにされるのが
本当に苦しい
集中したい時、専念したい時
それだけを考えたい時があるから


何かを抱え込んだ時
周りを傷つけたり悲しませたりしそうな時
私は部屋に閉じこもる

家族に言って解決できるものではない
自分のことで精一杯で
周りを気遣う余裕がない時は
キツい言葉や態度になってしまうかもしれない

そこでまた家族にぶつけてしまっては
ますます情けなく
悲しくなるだけだから

だから私は
閉じこもる
そして
トンネルを抜けて
いつもどおり行動できると
自分自身が思えたら
部屋から出るのだ

正当化できるものではないと
わかっている
だけど
ひとりだった頃からの
この方法は
もう変えられないのだ

傷口を庇うように丸くなり
歯を食いしばって
小さくなって

考えて考えて考えて考えて
考え抜いて
毒を抜くのだ

心配かけているのも
わかっている

だけど
それさえも
辛いのだ

放っておいてほしい
食べられないのに
食事を運ばれる
食べなくては申し訳ない
なのに
食べられない
こんなに心配をかけて
愛情をかけてもらって
ずっとずっとずっと
してもらってばかりで


ひとりだった頃は
電話で「大丈夫だよ」と言えば
見えることはなかった

大丈夫、しか言わなかったから
「大丈夫じゃない時に大丈夫と
言ったらだめなんだよ」
と言われた

大丈夫、と言っても
大丈夫じゃなかったことは
バレていたんだ
いつもいつも
たとえ見えなくても


細切れにされない自分の時間なんて
放っておいてもやってくるのだ
ひとりで生きる時間
誰にも遮られない
遮る人のいない時間

それは
死んでからならもっとずっと
長く続く時間ではないか

それでも私は
生きている今も
細切れにされない自分の時間を
大切にしたいのだ
死守したいのだ

贅沢の極みだ
贅沢の極みだ

親切にやさしく
いたわってもらうたびに
いつかなくなってしまうこの時間を思って
涙してしまう

今だけなんだ

私の大切な大切な
お父さんお母さんといられるのは

今だけなんだ


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