見出し画像

ランドセル


なんとなく前からラン活に興味があって、たまにイオンとかのサイトを見て相場を覗いてみたり、デパートのランドセルコーナーのランドセルを通りすがりざまに横目で見てみたりしている。

別に我が子はまだ1歳半なので、下調べというわけですらなく、ただの興味本位。
かといって高級なこだわったランドセルにしてあげたいとかいう願望もなく、本当に興味本位。
私は文房具屋を見るのが好きで、様々な機能を持った色とりどりの文房具たちに胸を躍らせてしまうので、それと同じようなものだと思う。

ランドセルって不思議な文化だよね。
わたしはたぶん今までの人生の自分用のカバンの中で一番高かったのはランドセルだと思う。
(それほどいいやつを買ってもらったというより、大人になった自分がブランドバッグを持ってないだけだが。)

6年間毎日同じカバンを使うってことも人生で他にないし、その割に小学校を卒業したら一度たりとも使わなくなる、不思議なカバン。


自分がランドセルを選んだ時のことはなんとなく覚えていて、幼稚園でもらったカタログから母とどれがいいかと話し合った記憶がある。
30年近く前なので当然今のようなカラバリもなく、何種類かの赤と、2種類の濃いめのピンク。紅色という感じの色。
母はその紅色を「これ珍しくてかわいいんじゃない?」と勧めてきたが、「知らない人が多い中で浮くのは嫌だ」という旨を伝えて普通の赤のランドセルにしてもらった記憶がある。

うちの小学校は当時にしてはちょっと特殊で、今でいうランリュックのもっと簡易版(マチがそんなになくて、布もさほど分厚くない)も入学用品の中に含まれていた。
(※うちの学校では"○○ランド"という固有名詞で呼ばれていたが、一応身バレ防止のために伏せておく。以下「○○ランド」とする。)
ランドセルを買ってもいいし、入学準備の際に○○ランドを買ってもいい、というような仕組みで、使っている人数は体感としては半々ぐらいの割合だったような気がする。

うちは田舎だったので通学路は子供の足で30分以上歩くような距離で、雨宿りをできる場所がほとんどないような一面の田んぼ道だった。
そんな道を歩いていれば、当然「みんな傘を持ってないのに登校中に急に雨が降ってきた」という日も時にはある。
みんなずぶ濡れで学校に着いた時、○○ランドユーザーの人たちは軒並み教科書が大変なことになっていた。
ランドセルの人たちも隙間から水が入って多少濡れていたけど、まだマシだった。

今のランリュックはきっと耐久性もちゃんとしているのだろうと思うけれども、昔の○○ランドは6年間使うのは厳しく、高学年でもまだ使っている人はだいたい底のあたりの教科書の角が当たる部分が破れかけていた。

そこで、○○ランドユーザーのほとんどは、4年生ぐらいから普通のリュックにシフトチェンジしていた。NIKEとかそういうスポーツリュックのようなものだ。
高学年になったらリュックにするのがちょっとカッコいい、という感じすらあった。
そうなると我々ランドセルユーザーもちょっとリュックへの変更に憧れを抱くようになる。

贅沢な悩みだが、私もリュックで学校行きたいなと親に言ってみたことがあったと思う。
すると「せっかくランドセル買ったんだし小学校のうちしか使わないんだからランドセルを使いな」と言われ、まあそうだなと思って撤回した記憶がある。当然の展開である。
そういうわけでわたしは大人しく6年間ランドセルを使った。


最初の話に戻るが、大人になってやんわりラン活に興味を持って過ごしているうちに、現在のランリュックの存在を知った。
布製のランドセルといえばわたしは前述の○○ランドしか知らなかったので、最初は「雨に弱くて6年間持たないアレでしょ」という印象だった。(すみません)

しかしランリュックを勧めている人の話をネットで見る限り、「ランドセルを買っていたが入学して2週間で子どもが『重くて持てない』と言うのでランリュックを買い直した」というケースもあるそうだ。
30分以上歩いて通学していた身からすると、たしかに軽さはかなり大事だ。
ちらっと調べた感じだと、昔の○○ランドとは全然違う、結構頑丈そうな感じである。

なんと言っても、私は「田んぼ道を30分以上歩く通学」しか知らないが、よく考えると自分の子がどんな道をどれくらい歩く通学になるのかはまだ決まっていないので、そんなに雨に怯える必要もないかもしれないのであった。

布製か革製かだけでなく、色や軽さや形など選択肢がめちゃくちゃある現代で、さらには我が子の性格や体格、あるいは地域性などによっても選び方に差があるだろう。
ここから数年の間にもまた新しいものが出てくるだろうし、どんなものを選ぶことになるんだろうか。今からドキドキである。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?