見出し画像

貴方の名前は=LOVE

某アイドルとは全然関係ないです。ごめんなさい。

私は名前フェチと言っても過言じゃないくらい人の名前が好きだ。
名簿とか眺めるの大好きだし、漢字も音も大好き。気に入った名前の人は特にフルネームで呼びたい。

てなわけで、好きな人の名前はめちゃくちゃ思い入れがある。
生きてた中で一番好きだった人の名前は変わってるのもあって、もう2年は会ってないけれど、よく1人で呼びたくなる。

彼のことは物凄く好きだった。
目が合って恋に落ちるスピードは重力加速度を無視していたとしか思えない。
愛妻家の子煩悩の先生とかいう叶う要素0の片思いだったけれど、何年も引きずった。
好きなところはあげきれないけれど、来世に1人だけ記憶を持っていってもいいよ、と言われたら私はこの人をなんの迷いもなく選ぶ。死ぬなら絶対この人とがいい。
それくらい好きだった。

そんな私にも今は新たな彼氏がいる。
と言ってももう半年になる。
最初は彼氏にするには掴みどころが無さすぎて、いちいち悩んでデート帰りに泣いたりしていた。

けれど半年記念に水族館に行った帰りに、彼にも関係する家の事情を話さなければならなくなった。
何度も涙を零しながら、いつもの癖で上手く笑顔を作りながら話した。

受け入れてくれるかな、と悩みながら話したのだが、いつも通りたっぷり考えている間を取った後、彼は自分の家の事情を話してくれた。
円満だと思っていたからビックリした。色々な人の気持ちを考えてボロボロとまた泣いてしまった。

どうしても母親の言うことを怯えて聞いてしまう意志薄弱な私。また無理な要求に応えようとしてるけれど、このままじゃいけないと思っていた。そこで解決策を何とか考えて頑張ろう、と言ってくれた。

あ、この人のことが好きだな、と改めて思った。わからない部分が多くて、どう思われてるか不安で、好きになりきれない部分があったけれど、今ならなんの躊躇いもなくこの人が好きだと言いきれる気がした。

そんな時に、夜風に吹かれる白いパーカーをきたこの人に、私はかつて好きだった人の名前を呼びかけそうになった。

えっ、今私なんて???

己の仕打ちのエグさにかなりショックを受けた。大好き!ってなって他の人の、しかもめちゃくちゃ好きだった人の名前呼ぶか??

けど理由はすぐにわかった。
私の中で、好き=彼になっているからだ。
私の好きという感情の構築は彼と共にあったことを表しているんだ。

四季折々、ふとした瞬間に彼のことを想ったこと。好きだと何度も名前を呼びかけては、噛み締めるようにやめた。涙を堪えて、たまには堪えきれずに、想った。

ただ彼に幸せを、いつまでもいつまでも溢れんばかりの幸せを。
ひたすら幸せを願う恋の仕方を、好きの気持ちを、教えてくれたのは彼だ。

私の恋は彼と共にあったのだ。
彼の名前を思い浮かべれば、好き、だったのだから。
だから、逆もまた然りになってしまってるんだ。
好きだと思ったら彼の名前が出てきてしまうんだ。

私は彼のことをただの通過点にしたくない、と常々思っていた。私の血肉になればいいのに、とカニバリズムもびっくりの思考をしていた。
その願いは抽象的な形で叶った。

私が人を愛する限り、好きだと思う限り、私は彼によって象られたままでいられる。
私は今の彼氏に幸せになって欲しいと思った。私に寄り添ってくれる君に、毎日どんなに小さなラッキーでも、私が居なくても、温かい日常を送って欲しいと思った。
この人を好きだと思った証拠だ。

貴方の名前は私の中で好きという言葉と同義になった。
愛すべき人を心の底から愛しながら、かつての望み通り私は貴方と死ねる。
貴方の名前を呼びながら、私は目の前の人を好きだという気持ちで満たされる。
どうしても欲しかったものを2つとも手に入れた私は地獄行きでいい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?