佐藤吉哉

取材の側からマネジメントへ。現在は金融情報サービス会社役員。ビジネスパーソンの教養を高…

佐藤吉哉

取材の側からマネジメントへ。現在は金融情報サービス会社役員。ビジネスパーソンの教養を高め、対外発信する活動にコミット。文楽・歌舞伎など古典芸能からオペラ、演劇まで雑食の観劇と、反省会と称する飲み会が趣味。スタートアップ企業へのアドバイスや「スピーチエディター」ボランティアも。

最近の記事

TBS「東大王」の功績

これも何年も前から周囲には言っている話だが、 TBSの「東大王」は智のデフレ時代に終止符を打った点で大功績がある。当事者たちが智をゲーム感覚で見ているのはいただけないが。 デフレ時代、いくら修養を積んでも偉くならないし、給料も昇給しない。一生懸命勉強しても虚しく、家に帰ったら、おバカタレントがクイズ番組で常識はずれの回答を連発し、「自分より馬鹿だなぁ」と溜飲を下げて一日を終えていた。 智のデフレ時代は人間の向上心や尊厳を奪う。バカを装うことはあっても、人より劣ることを競う

    • 角を矯めて牛を殺す愚を避ける

      コロナ営業自粛要請を巡る都と国との協議に対する違和感。 詰まるところ、「コロナ、コロナと騒いでるけど、そんなにしなくても何とかなるんじゃないの」という甘い認識があるんじゃないのか。「命か経済か」と位置づけられる事自体に、認識の甘さを露呈している。 コロナは戦争。空襲警報が鳴り響き、あるいは、空爆を受けている最中だ。必死に防空壕に逃げ込めと言っている時に、「でも、商売辞めたら食いあげちゃう」とか「お店を開けていたらお客が来てそれなりに稼げるんじゃない?」といったスケベ根性で、

      • 一人ひとりが「8割減らす」取り組みで。

        2割減では感染爆発を防げず、8割なら制圧可能。 都市封鎖=ロックダウンをしなくても、 ひとりひとりの努力で「8割減らす」取り組みをしたい。 自粛で「全部しちゃいけない」となると絶望する。 一歩一歩、「減らすことができた達成感」でコロナに対抗したい。 10回出ていた買い物は2回に減らそう 毎日出社していたのを在宅勤務にシフトしよう どうしても出社の必要な仕事は週に1日だけに集中させよう 10回あるミーティングは、8回はテレカンにしよう 人に会う回数は2割に、人に会う総量は2割

        • ソーシャルディスタンス、正しい意味

          コロナ禍、本当の専門家に伺って確認できたこと。 コロナは基本として空気感染ではない。 最も警戒すべきは、唾など飛沫。 飛沫を直接浴びたり、その飛沫を拭った手と握手したり触れること。 だから、感染している人、感染しているかもしれない人が喋るときにマスクをするのは合理的。 喋らない方は必ずしもマスクはしなくてもいい。マスクはウイルスを防御することはできないが、飛沫は防げる。 3密、ソーシャルディスタンスはこの分脈で判断すればいい。 唾が届かない距離にいればいい。向かい合って

        TBS「東大王」の功績

          本当の「忖度」

          数日前、朝の出勤途上、ドラッグストアの開店前の行列。 マスクをした高齢者たちからこんな声が聞こえてきた。 「うちは30箱」、「えー?そんなに少ないの?」 それぞれの家のマスクやトイレットペーパーの「貯蔵量」自慢だ。 ぞーっとする思い。 いつからこの国の高齢者はこんな思いやりのない民となったのか。 そんなに溜め込んで、いつ使うのか。 マスクが足りなくて困っている医療現場に思いが至らないのか。 その身勝手がブーメランのように自分に帰ってくるのに。 若手が重症化しにくいと当初言

          本当の「忖度」

          自戒を込めて。w

          自戒を込めて。。 「生産性 語る上司の 非効率」 「ちょっといい? ちょっとで終わった 試しなし」 「意見出せ 出した途端に 担当者」 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO40258720R20C19A1CR0000/

          自戒を込めて。w

          感情的なゴーン擁護論を排す

          海外の論調を含め、感情的なゴーン擁護論と東京地検へのバッシングが起きている。特に司法の現場を知らない海外メディアの評論家的な「日本劣等国論」が目につくので、冷静な整理をしておきたい。 強欲な(greedy)経営者はそれはそれでいい。単に堂々と高額報酬を受け取ればいい。それをヤミ報酬にしたり、フリンジベネフィットに仮装したかどうかが問題の核だ。 ヤミ報酬が金商法の開示義務の対象になっていれば、一発アウトで金商法違反。そうでない場合は、illegalに水面下で報酬をわたくしし

          感情的なゴーン擁護論を排す

          経営者の心胆を寒からしめるゴーン逮捕

          今回の日産ゴーン逮捕については、色々な揣摩臆測めいたものも含め、さまざまな論考が出ており、そこに与することなく、ちょっと違った視点から取り上げてみたい。 それは、「経営者の裁量で何とでもなる範囲」の厳格化だ。今回の事件で取りざたされる水面下の報酬、経費の私的流用…。世の豪腕名経営者と言われる人の中にも、背筋に冷たいものが流れる向きがあるのではないか。「金商法不実記載罪」の適用は財務・経理情報との突合で立証は比較的簡単で、特別背任や業務上横領などよりも容易に立件できる。有価証

          経営者の心胆を寒からしめるゴーン逮捕

          好況期発の働き方改革の落とし穴

          はたらく人を大切にした残業抑制など働き方改革は大企業を中心に競うように浸透し、まずは成功、うまくいっていると言える局面にあります。けれども、その奏功、好況期発の初年度ということを肝に銘ずる必要があります。 早帰りの促進などで、大企業側で軽減した残業代は年間数億円から数十億円規模に達します。これを原資に、必要な役務を外部への業務委託で賄ったり、従業員への賞与の積み増し原資などに充てることができています。ですが、よく目を凝らしてみると、これは好況期にあって、企業に余裕があるから

          好況期発の働き方改革の落とし穴

          鶴瓶にあって志の輔にないもの

          笑福亭鶴瓶さんはバラエティやトーク番組で盤石な地歩を築いていますが、実は落語家としても努力を怠らず、相当な実力者です。なんせ、サウナの中で倶利伽羅紋紋の猛者にひるまず、落語の稽古をぶつぶつしおおせるほどですから。その落語の巧者としては双璧をなす一人、立川志の輔さんとの比較を考える機会がありました。 11月、赤坂のACTシアターの鶴瓶さんの独演会。志の輔さんや立川談春さんで聴いた「徂徠豆腐」がトリの演目です。忠臣蔵の赤穂浪士を打ち首処分にせず、武士の名誉を重んじて切腹処分にす

          鶴瓶にあって志の輔にないもの

          深追いしても火傷しない日米摩擦

          米国の中間選挙は大方の予想通りの結末で、報道を見ても新味はない。注目したいのは貿易摩擦の行方。もともと、労働者の側に立つ民主党は”貿易摩擦好き”だ。これは過去の日米摩擦を思い起こしても、民主党政権下で燃え盛り、共和党政権下で下火になる歴史だ。だから、トランプ政権が民主党と協調路線を取りたい場合、「貿易摩擦」でタッグを組むシナリオが最も考えやすい。 その際、米中の摩擦は要注意。米国のヘゲモニーを打ち砕こうとする習近平国家主席の「中国製造2025」路線にはどの大統領でも、共和・

          深追いしても火傷しない日米摩擦