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闇夜の地平線には、プシュヤ星宿が浮かんでいた。 イ・ソフタでの逗留は数日に抑えた。 …
適齢期というものがある。 恥ずかしながらの年齢を刻み、後悔の多い半生を振り返って、初…
イ・ソフタは天空の要害都市である。 ヒンディークシ山脈のレーへ峠を越えた圏谷に位置す…
曙の雲が七色にたなびいている。 光彩が時の経過で移ろう時間だ。 男は膝をついて嘆息し…
「小僧、何を企んでいる」 無言の重圧がひしめいている。迂闊であった。遠巻きに囲まれてい…
これは興味深い。 私は待つことにした。 一応、錫杖棍は手元に置くことにした。 この…
中天に半月がかかっていた。 雨が近いのか、朧に霞を纏っている。 そのために星空が疎らで、天がひろく見えた。 私の眼でもそう映るのだ。おそらくは唯の人間には、星は見えることはあるまい。なぜなら私は途方もなく夜眼が効くのだ。 風が草原を嬲っていた。 半分枯れた葦原が風を受けて揺れている。そこには風だまりがあって、吹き倒されそうな突風があるらしい。巨人が、大鉈を振るっているようにも、女神の髪を巨大な櫛で梳かしてかしているようにも見えた。 ざぁっと風を孕んで灌木の梢が揺