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離婚式

43
離婚式という社会通念が生まれて久しい。 両家がきっぱりと縁を分つために。 その縁を切る範囲は、現代では広すぎるので。 社会のモラルとして、結婚したら離婚保険に入るのは常識になって…
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#SF小説

離婚式 43

 緩慢な動作だけど。  ゆっくりと身を起こした。  まだ弛緩があちこちに残ってる。  この…

百舌
1か月前
11

離婚式 42

 乱暴に突いてくる。  でも苦痛じゃない。  後で沁みるかもね。  それでもこの肉棒はとま…

百舌
1か月前
14

離婚式 41

 倒し込んだ。  形だけの抵抗があるが、頓着しない。  わかるぜぇ、こんな手合いは。  取…

百舌
2か月前
7

離婚式 40

 城砦のような建物だと思った。  コンクリート壁に囲まれた瀟洒なビル。  身持ちの固い女の…

百舌
2か月前
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離婚式 39 I 手のひらの恋

 不思議だと、思った。  脳内に複数の人格が共存してる。  怯える神崎はかつて愛していた。…

百舌
3か月前
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離婚式 38

 口角が弛緩している。  目に哀願の色が強い。  情けない男だと思う。  なぜ惹かれていた…

百舌
4か月前
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離婚式 37

 後ろ手に拘束されている。  手首に血液が満足に通っていない。  手首ばかりか親指を纏めてタイラップで締め上げている。その手首辺りからロープが伸びて首に掛けてある。抵抗すればするほど、喉首がより締まるように。  それだけ素人の手腕ではない。  なぜこの女に入れあげたのか。  彼女の素性に類推を繰り返す。  或いはという推理に、背筋が戦慄いた。彼女は、θ上層部からの、おれに対する抹殺官かもしれない。脳核チップに不用意な遺言めいたことを書き記したからか。あるいはワインバーのVIP