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AGDQ2023でBurnout Paradise Remasteredを走った話

私は「Burnout Paradise Remastered(以下、バンパラ)」というゲームの「Big Surf Island Any%」というカテゴリーのRTAで世界記録を持っています。
そんな私がなぜAGDQ2023に参加しようと思ったのか、応募から本番まで実際にどのような事があったのか、赤裸々に語っていきたいと思います。

応募から採用までの経緯

AGDQ (Awesome Games Done Quick)とは、世界最大のRTA(海外ではSpeedrunという言い方が主流)イベントの1つです。
毎年年初に1週間程度行われています。
アメリカのGDQ (Games Done Quick) という団体が運営しており、夏にはSGDQ (Summer Games Done Quick) というイベントも行われています。
基本的にオフラインのイベントの為、日本人が参加することはありませんが、コロナウイルス大流行の影響で数年間オンラインイベントとして開催され、毎回日本人走者も数人採用されていました。

しかし、コロナウイルスも大分落ち着いてきたということもあり、2023年のAGDQはオフラインイベントとして開催される…予定でした。
ところが、諸般の事情により、2023年のAGDQが完全オンライン化するというアナウンスを耳にし、「ここで行くしかねえ!今回を逃せば2度とチャンスが無いかもしれない!」と突如物凄い衝動に駆られました。
やはり、他の日本人走者の方も同じ考えだったようで、私の知る走者の方も結構応募していた印象がありました。

GDQは世界最大のRTA運営団体です。
もちろん、自身でWebページを持っています。
応募の前にまずはそこにサインインしなければなりません。
意外と入力する情報が多く、この段階で結構苦戦をしました。
自分の情報だけでなく、なぜか子供の名前、第2の緊急連絡先(私の場合は嫁の名前と携帯番号)なども入力しなければなりませんでした。
恐らく基本的にオフラインイベント中心なので、会場で何かあった場合に備えての情報登録ではないかと思いました。

ようやくサインインが終わり、ゲームの応募となります。
応募フォームの内容は全ては覚えていませんが、結構な項目がありました。
応募の際に残したメモがありましたので、その内容を晒します。

Describe Your Availability (use Eastern Standard Time Zone: UTC-5)
Jan 8th - 7:00~11:00, 20:00~0:00
Jan 9th - 0:00~11:00
Jan 10th - 7:00~11:00
Jan 11th - 7:00~11:00
Jan 12th - 7:00~11:00
Jan 13th - 7:00~11:00, 20:00~0:00
Jan 14th - 0:00~11:00, 20:00~0:00
Jan 15th - 0:00~11:00
これは参加可能時間の項目です。
アメリカ東海岸の時間で、いつ参加可能かを記入しました。
UTC-5とあるので、イギリスの世界標準時間よりさらに-5時間させる必要があります。
基本的に、平日なら日本時間の21~翌1時まで、休日なら10~翌1時と、かなり広めに時間を取りました。
これは時間で弾かれないようにするために、多少の無理を承知で設定しました。

What is your upload speed?
578.6Mbps
これはアップロードのスピードです。
応募ページにアップロード速度計測サイトのリンクがあったので、そこで計測し、その計測結果をそのまま記入しました。

Any potential issues with your run(s) that we need to know about?
When switching windows or starting or exiting a game, the encoding may be under a high load, causing the PC to crash in rare cases.
I am not good at English. The commentator who will be attending can provide commentary in English. However, It would be very difficult for us to converse in English in real time.
これは、ランを行うにあたって、何か問題ごとや、運営に知らせておきたい事があるか?という項目です。
ここでは、

  • バンパラを起動した状態でウィンドウを切り替えたり、ゲームの起動や終了時に、稀にPCごとクラッシュしてしまう可能性がある事

  • 走者自身が英語が苦手なことと、解説者は英語で台本を見ながら解説することは可能だが、リアルタイムのコミュニケーションは難しいということ

という2点を記入しました。
この「バンパラ」というゲーム、上記の事を行うと非常に負荷が掛かり、PCごとクラッシュしてしまう恐れがあります。
もし本番直前にリハを行いPCがクラッシュした場合、セットアップに余計な時間が掛かることになります。
突然音信不通にもなる訳ですから、本番当日にパニックにならないよう、あらかじめ伝えておく必要があると思いました。

そして2点目。
私自身は英語でコミュニケーションがほぼ取れません。
そして、解説をお願いしたみどるさんは、英語自体は分かるが、通訳等のリアルタイムのコミュニケーションは難しいとのことでしたので、そう記入しました。

Submission Description
I have a world record in this category. However, this game is not well known in Japan, and I do not get much attention when I participate in events. So I decided to participate in an event in the U.S., where it is more popular than in Japan, to show my run.
The video I submitted is from a previous event I attended in Japan.The EST on the video I submitted is 40 minutes, but that includes the talk before and after the run.Assuming the worst, the EST will never exceed 30 minutes.
そしてこれが応募するゲームの説明です。
英語が分かる方なら「えっ!?」って思うはずです。
そうです、ゲームの内容の説明は一切記載していません。

要約すると、「俺はこのカテゴリーで世界記録持ってて、日本のイベントに何回か出たんだけど、日本じゃイマイチ知名度が低くて反応が薄かったんだよね。だったら日本より知名度が高いであろう本場アメリカのイベントに出て俺の走りを見てもらおうって気になったんだ。ちなみに送ったビデオは日本のイベント (Stylish Speedrun Showcase 3) で走った時の物でESTが40分になってるけど、それは前説と後説含めたものだから。ゲーム単体だと30分で十分だから。」って感じ。

もうね、同情を誘うような文章で送りました。
そしたらまさかの採用。

そこにはしっかりとAcceptの文字が。

ちなみに、過去にGDQでバンパラが採用されたか調べてみましたが、検索したら1件だけヒットしました。
でも、AGDQ2018のリマスター版ではないPS3版の「Burnout Paradise」でした。しかもカテゴリーも75%という今回とは違うカテゴリーです。

ひょっとしたら、まだ採用(応募)されたことのないゲームとカテゴリーだったからかもしれませんね。

スケジュール決定&解説者の選定

採用発表から数日後、スケジュールが発表されました。
私の出番は日本時間で1月10日(火)21:34頃から。
希望時間の中にキッチリ収めていただきました。

次に行ったことは、解説者の選定。
今までは日本のイベントにしか出たことがなかったので、1人だけで十分でした。
しかし今回は海外のイベント。
まずは、いつも解説をお願いしているみどるさんに本家の解説をお願いすることは応募の段階から決めていました。

そして、Japanese Restream(以下、JR)でも日本語ミラー配信されるので、そちらの解説も必要でした。
そこで白羽の矢を立てたのがどすこいフラペチーノ(以下、どすフラ)さん。
今までもJRで数々のゲームの解説を行ってきた方なので実績十分ということで全幅の信頼をおいていました。
しかも英語でのやりとりも可能なので、本家配信を見ながら通訳していただくこともできます。
チラッとその話題を出したら、快くOKしていただきました。

そしてもう1人、英語ができる方でもし何かあれば…というお話をいただいていた方がいました。
本家解説を依頼予定のみどるさんと話していたのが、「もしインタビューとか始まったらどうしよう」という問題でした。
みどるさん、今までの解説台本を英訳して読むことまではできるけど、通訳まではちょっと…という感じでしたので、やはり通訳ができるレベルの方を1人置いとく方がいいと思いました。
そこで、本家にみそにこみさんを迎えることにしました。

つまり、
本家
みどるさん(英語解説)
みそにこみさん(通訳兼ガヤ)
JR
どすフラさん(日本語解説)
という布陣が私の中では固まっていました。

AGDQ2023のDiscordに参加

ところで、走者向けにAGDQ2023のスケジュールのページにこういう表記がありました。
私は完全に見逃していましたが、私の直後に走られるらちゅさんに教えていただきました。
なぜかというと、「走者の人には11月8日にDiscordサーバーへの招待メール送るよー」という表記があるのにも関わらず、11月10日の朝一になっても届いていなかったからです。
それをらちゅさんからDMで教えてもらって気付いたという経緯です。
アメリカの現地時間だとしても1日遅れています。
夜になってもメールが届かなかったらGDQにコンタクトを取ることにしました。

が、その数時間後メールが届きました。
メールの中にはDiscordへの招待リンクと、「11月21日までにJoinしてね!それまでに入らなかったら出場権剥奪するよ!」と、サラッと怖いことが書いてありました。
私はすぐにDiscordに参加しました。
Discordには、よくある「最初に読んでね」っていうチャンネルと、ロール付与チャンネルがありました。ロール付与チャンネルに「Runner: Burnout Paradise Remastered」と入力…する前にもうRunnerのロールが付与されていました。一応入力しておいたけど。

で、どさくさに紛れて自分の出場出番が5分早まって、日本時間で1月10日(火)21:29頃からになってました。

こうは書いてあったが、実際にメールが届いたのは日本時間11月10日の10時半頃だった

解説者の分担

次に、本家の解説者にもDiscordに参加してもらわないといけません。
ところが、どすフラさんのスケジュールが微妙。
となるとJRの解説者がいなくなる可能性があります。
なるべく分担の変更はしたくなかった(特に本家の方)ので、よく相談してこれなら絶対いけるという分担にしました。
そして決まったのが、

本家
みどるさん
みそにこみさん
JR
どすフラさん

という布陣でした。
相変わらずどすフラさんのスケジュールが微妙なままでしたが、仮に間に合わなかった場合の為に、JRの運営さんに台本を渡しておくという方法で乗り切ることにしました。

ソーシャルインタビュー動画を作ってみないか?

11月29日、AGDQのソーシャルメディア担当の方から走者に向けてお知らせがありました。
「TwitterとかのSNSに載せるショート動画を作ってみないか?期限は12月21日までな!」
という内容でした。
必ず含まなければならない内容が2点あって、冒頭に何のゲームを走るのか、最後に自分のチャンネルやアカウントの紹介をしなければなりませんでした。
追加の項目として、
1.なぜこのゲームを走ることになったのか
2.視聴者が興奮するポイントはどこか
3.難しいスキップはあるか
4.見どころはどこか
5.自分のランで一番お気に入りな部分はどこか
を含めることができます。
ここまでなら動画を作ってもいいと思ったんですが、一つ問題点が。
それは、動画を縦方向にトリミングしなければならなかったということです。
TwitterやTikTokやインスタに上げるから縦方向じゃないとダメらしいんだけど、これが結構面倒で結局動画の作成は止めました。
Twitterに上げられた過去の動画を見ても、いいねが100台で再生回数も数千回なので、労力に見合った成果を得られないと思いました。

Tシャツあげるよ!

11月30日、Discord内で「走者向けに走者専用デザインのTシャツあげるよ!」というメッセージが投稿されました。
GDQではお馴染みのThe YeteeのTシャツです。
これは是非頂いておこうということで、即応募しました。
「ただし、国外に発送もできるけど、本番には間に合わないよ」という但し書きがあったけど、私は元々本番用に購入した和装の服を着て出るつもりだったので、問題ありませんでした。

tech checkやるよ!

12月4日、AGDQのDiscordの走者チャンネルで、「tech checkやるよ!」っていう案内がありました。
tech checkって何ぞや!?と言うと、日本のRTAイベントでもやる音声のバランスチェックとかあんな感じのものです。
AGDQから配布されたOBSで、指定のレイアウトと設定にして、ちゃんと動作するか確認する作業です。
が、もちろんマニュアルが英語なので、ほぼ全て一度DeepLに通してからの作業になったので苦戦しました。

あと、tech checkのスケジュールが1週間程度と短めだったので、早く設定を終わらせて、枠を取っておきたかったんです。
というのも、tech checkの時間は、12月7日~16日まで。各日日本時間で午前3時から午後2時まで。
1回当たりの枠は10分。
何事も無ければ5分で終わるよ!って書いてあったけど、なにぶん自分は英語が喋れない。
設定が上手くいってても、スタッフの人とやり取りができないかもしれない。
とりあえずDiscordで通訳を同席させてもいいか質問してみました。
すると、すぐに「過去に日本語で対応したスタッフがいるので大丈夫です」という回答が返ってきた。
なんと心強い。
心配事が一つ減ったので、急いで設定をして、12月8日の12時から枠を取りました。
設定マニュアルの中に、「コメンテーターの名前とゲームのプラットフォームとカメラの有無は聞くからな!」っていう文言があったので、それだけは答えられるようにしておく必要がありました。

そしてtech check当日、予定時間の5分前くらいにDiscordの走者のチャンネルで、tech check用のVCに入るよう呼び出しが掛かりました。
こちらもゲームとOBSを立ち上げた状態で部屋にイン。
そ「Hello」
スタッフ「Hello! klfajfiotj43irostreamkeyjyhgfjghfdsigj@opfejiofjte」
ちょちょちょちょちょ待った!何言ってるか全く分からん。
streamkeyという単語だけは聞き取れたけど、今から送るのか、あらかじめ送ってるよね?って聞かれてるのかも分からん。
私はすかさず、「Sorry, I'm not good at English」と先制攻撃し、向こうも「Oh, it's OK」と返事してくれました。
先述した通り、あらかじめ日本語しか喋れないアピールしておいたんですが、シフトの関係もあるようで、日本語で対応してくれるスタッフに当たらなかったみたいです。
結局その場でtech check用のストリームキーを受け取り、OBSに入力し、配信開始。
喋ったりゲーム音を出したりして、OBSの設定は問題無さそう。
その他、tech checkの際に色々質問するというのはあらかじめ知らされていたので、質問を受けて答えるというやりとりを行いました。
受けた質問は、
「走るゲームの機種は何ですか?」
「コメンテーターの名前を教えてください」
「ランの時に英語を喋りますか?」

あともう一つ聞かれたけど、全然聞き取れなかったし、ゆっくり喋ってもらっても意味が分からなかったので、しばらく黙っていたら、「No?」って言ってきたので適当に「No」と答えておきました。もう知らね。
最後は「See you」と挨拶して終了。
恐らく本番より緊張した10分間だったと思います。

イベントに落ちまくる

実はこのAGDQ2023に採用されてからも、色々なイベントに応募していました。
AGDQは世界最大のイベントであることには間違いないですが、それでも常に何かのイベントに向けて走った方が日々のモチベーションも上がるというものです。

ところが、AGDQ2023採用決定後に7つのRTAイベントに応募し、RTA in Japan Winter 2022を皮切りに、全て落選。
7連敗というのは今まで経験した事が無かったので、正直かなりへこみました。
決して高望みして大規模イベントばかり応募している訳ではありません。
今まで通り、小中規模のイベントにも応募しています。
「いや、お前はAGDQに出るからいいだろうが!」
という声が聞こえてきそうですが、それとこれとは話が違うんです。
AGDQが終わった今、目指すものが無くなって燃え尽きてしまうかもしれない。
そういう事も脳裏をよぎっています。
この記事を書いている現在もいくつかのイベントに応募していますが、全て落選したら、流石に糸が切れたようになってしまうだろうと思います。
イベント引退して細々とやっていくかもしれません。

Restreamer向けに情報クレメンス

年が明けて1月3日。
Discordで、AGDQ 2023 Info for Restreamersというフォームに情報を入力してね!っていう投稿がありました。
Restreamersって何ぞ?
イベント終了後にまた再配信でもするのか?
って思ってたら、JRみたいに各国で配信されるから、その事でした。

これは少しでも海外ファンを増やさなければと思い、早速フォームに情報を入力して送信しました。
内容は、
・ゲームの概要
・ランとチャートの詳細
・重要な戦略やテクニックやグリッチ
・その他リストリーマーに向けて
の4項目でした。
それぞれ台本から抜粋して入力しました。
最後のその他の項目には、「走者のそうとぅーすはWR保持者だぞ」という一言を添えて。

リハをした

本番2日前の1月8日の夜。
実際に本家配信で解説をお願いしたみどるさんとみそにこみさんの3人で本番同様のリハをしました。
その日はリハまで通常配信をしていて、約束の時間になったらそのままバンパラを起動してDiscordのVCに集合。
そして本番同様にOBSの仮想カメラで画面共有したのですが…

めっちゃカクカク。
というかほぼ静止画。

これではとても使い物にならない。
どうしよう。本番まであと2日しかない。
配信中にも関わらずあたふたする3人。
でも画面を見ないと解説できないので、この日はとりあえずGo Liveで画面共有してリハをしました。
とりあえず用意した英語台本を読みながらのラン。
所々気になる所はあったようですが、本番までになんとか修正することになり、配信終了。

配信終了後、そのままVCをしていましたが、やはり話は本番の画面共有の話になりました。
Go Liveで上手くいくならそれでいいじゃないと思われるかもしれませんが、GDQ側から、本番中のDiscordはOBSの仮想カメラで画面共有するよう指定がありました。
これは何とかしなければならない。
でも色々と調べても全く改善しない。
諦めかけていたその時、普段のOBSじゃなくてGDQ用のOBSの仮想カメラ使ってみたらどうかという話になり、試してみることに。
すると、さっきまで静止画状態だった画面がほぼリアルタイムで動くではありませんか!
これなら解説もできる!
これで走者の心配事は無くなりました。
あとは本番を迎えるのみです。
解説者さんはまだ台本の詰めの作業があるのでもう一仕事あると思いますが…
やっぱりリハ必要。絶対。

そしてイベント当日

1月10日。
迎えたイベント当日。
朝起きると、自分の出番が2時間近く押してる!?
昨夜寝る前は20時半頃だったのが、22時半頃になっていました。
一晩でこんなに押すとは思っていなかったので、何事かと思いました。
Discord内を遡って確認してみたところ、本来イベントに出るはずだったゲームがトラブルにより中止になり、一度時間が大幅に前倒しになっていました。
そのゲームのトラブルが解消されたため、夜中に入れ込み、時間がずれ込んだという経緯でした。
流石海外イベント。
1時間位前後するのは当たり前だという教えをいただいていたので、個人的には慌てずに対処できたと思います。
そして、相変わらずイベントに出るという実感がないまま夜を迎えました。

動きがあったのは18半頃でした。
我々の時間帯のホスト(司会みたいなもの)を担当するAGDQのスタッフさんからDMが届きました。
内容は、
・ドネーションの紹介タイミングはどのタイミングがいいか
・特別紹介してほしいドネーションの相手がいるか
・読み方はsaw-toothでいいか
という確認でした。
AGDQではランの途中に容赦なくドネーションの紹介でホストが割り込んできます。
今回はゲーム内の6つ目のイベントは特に解説も喋ることが無いので、そこでお願いすることにしました。

結局、自分の出番はちょうど22時頃になりました。
40分前くらいにrunnerのDiscordで待機チャンネル(Green Room)に来るよう呼び出しがありました。
そこで、初めて当日用のストリームキーが渡されたり、音声チェックや本番の段取りの確認が行われました。
ここでの英語のやり取りに全く付いていけずに、緊張感が一気に高まりました。
英語でやり取りができる解説者さんを呼んでおいて大正解でした。
結局Discord内での映像の共有はGo Liveで行うことになりました。
恐らく他の人もOBSの仮想カメラでの共有が上手くいかなかったのではないかと推測しました。
仮想カメラだと音声も聞こえないですし。

そんな中、本番20分前にrunnerチャンネルでドネーション担当チームからメンション付きのメッセージが飛んできました。
内容は、
・あなたが何かコミュニティを持っていて、そのハッシュタグを持っているか
・今後CastlevaniaとRE Villageのドネーションが設定されてるけど、どっちが見たい?
という内容でした。
このやり取りは少し前から行われているのを知っていたので、回答は簡単でした。
私はコミュニティを持っていないので、ハッシュタグは無いという事と、自分が見たいゲームの方を回答しました。

そして私の1つ前のゲームが終わり、DiscordのLIVE用のチャンネルに飛ばされました。
飛ばされる前に、「ここで喋ったら音声が配信に載るから絶対に喋るなよ」とスタッフ(プロデューサーと書いてあった)さんに言われていたので、絶対に喋らないようにしました。
そこで再度ゲーム画面をGo Liveで共有しました。
この辺りでJRのチャンネルにもチャットで挨拶をしました。
すると突然スタッフから、
「sawtooth, speak.」
と言われました。
突然の言葉に私の頭の中は「?」で一杯になりました。
間髪入れずにもう一度、
「sawtooth, Speak!」
と言われたので、ここでもう配信が切り替わってるんだなと把握しました。

本番開始

そして突然始まった本番。
心の準備が全くできていなかったので、台本を読むので精一杯。
滅茶苦茶慌てていました。
ここで自分の緊張は過去最高値のMAXになりました。
あわや最初のイベントを開始せずにレースのコースを走ろうとするところでした。
1発クラッシュしてからは、少しずつ落ち着きを取り戻してきて、走り自体はまずまずだったと思います。
しかし、魔物は最後にやって来た…

最後にこんなん起こるなんて思わんやん。
400回以上やってるのに初めてみたわ。
よりによってなんでこれが大一番のイベントで起こるん?

という訳で、トラブルもありつつもそこそこの走りができて思いのほか喋れたし、イベント自体は楽しめました。

色々あったけど、タイム自体はそんなに悪くなかった

本番終了後

本番後はPost-run Channelという所に飛ばされ、少し本番の余韻に浸った後、自分のDiscordのVCで各々軽く振り返ったり、Twitterの反応を見たり、私はJRにチャットしたりしていました。
すると、Twitterで私のフォロー通知が凄いことになっている事が話題に。
早速見てみると、なんとGDQがshoutoutしてくれていました。
ちなみにAGDQ本番前はフォロワー数604人だったので、87人増えたことになります。
もちろんほぼ海外の視聴者さんです。

42,649人に対してshoutoutした結果

正直フォロワー数増に関しては全く期待していなかったので、嬉しいサプライズプレゼントになりました。
コマンド1つ打つだけの簡単なお仕事だから他のイベントもすればいいのにな~と思いました。

振り返り配信

本番翌日、早速振り返り配信をしました。
本来であればAGDQが終わるまで待つものですが、最近はイベントの最中でもすぐに振り返り配信を行う人が増えて来ているので、その流れに乗って熱が冷めないうちに行いました。

振り返り配信は、解説陣とVCしながらJRとGDQ本家の両方を見て行いました。
2つの配信を見比べて、やはりゲームの知名度の違いを感じました。
そこはやはりアメリカのゲームだと思いました。
それと意外だったのが、本家の配信でコメンタリーが大好評だった点です。
日本式のキッチリとした解説は、世界で通用すると感じました。

そして、振り返り配信で本番の魔物がもう1つイタズラをしていた事が発覚しました。
ドネーションの紹介のお兄さんの声が入っていなかったのです。
本番では計2回ドネーションの紹介があったはずなのですが、ビデオでは声が入っていませんでした。
間違いなく我々には聞こえていたので、どうやらDiscord内でしか聞こえない設定になっていたようです。
そういえばランの途中で、「OBS mute!」っていう声が聞こえたのでその事だったのでしょう。
本家のチャット欄でも「MIC muted?」みたいなコメントがありました。

夜に振り返り配信をしましたが、見に来てくれた視聴者さんは、普段私が夜に配信をする時の倍程度の20人台でした。
通常昼間に配信する時がその位なのですが、夜に配信すると半減してしまいます。
やはり海外のイベントなのでRiJやレイドRTAマラソンのような爆発的な増え方はしませんでした。
今後の通常配信も大きく影響する見込みは無いでしょうが、果たしてどう影響するでしょうか。

イベント後の通常配信

振り返り配信の翌日、早速普段通り日中に通常配信を再開しました。
結果から言うと、平均視聴者数はイベント前と変わらす20人台でした。
その週の週末も、視聴者参加型配信や、フォロワー700人記念配信をしましたが、以前と変わらず10人台。
まだAGDQが終わっていないという影響があったのでしょうか。

ところが、AGDQが終わってからも平均視聴者数はAGDQ以前と同じか、逆に少し減っています。
多い時で20人に届くのがやっとです。
明らかに海外の視聴者が増えて、相変わらずフォロワー数も1日1人のペース位で増えているのに。
これには結構ショックを受けました。

AGDQ本番前と本番後でほぼ変化が無いことが見て取れる

Runners Tシャツが届いた

実は今回のAGDQ2023、runnerには希望者全員に特別仕様のTシャツがプレゼントされることになっていました。
ただし、国外のrunnerにはイベント本番には間に合わないよという条件付きで。
結局届いたのが1月19日。イベント終了後の事でした。
一生に一度出れるかどうか分からないイベントの記念品。
家宝にします。

右手の袖にはRUNNERの文字が

AGDQ参加者で振り返り配信やるよ!

1月17日、AGDQ2023の日本人ランナーの1人であり、JRの発起人であるNakaさんが、このようなツイートをされていました。

私は早速リプで、やるなら参加したい旨を伝えました。
その2日後、DiscordでNakaさんから連絡があり、どうやらやる方向になりそうな感じになりました。

その後、DiscordでAGDQ日本人走者のグループが作成され、1月25日に7人の走者が揃って、JRのチャンネルで振り返り座談会を行いました。約2時間、各々が準備や本番の裏側を語りました。私も話したかった事(この記事の事)については大体お話できたと思います。

おわりに

さて、AGDQ2023に応募してから本番後の出来事まで書いてきましたが、いかがだったでしょうか。
少しでもこの記事を読んでくださった皆様の参考になれば幸いです。

今後の私の夢ですが、今回走ったバンパラでRiJとESAに出ることです。個人的に勝手に世界3大RTAイベントと名付けているイベントを、バンパラで制覇したいと思っています。ESAはオンライン参加が可能かどうか不明なのでともかくとして、RiJに関しては諦めずに今後も応募していきたいと思っています。

最後に、今回私を採用してくださったGDQ、解説を請け負ってくださった、みどるさん、みそにこみさん、どすこいフラペチーノさんに感謝の意を申し上げます。解説があることでとても心強かったですし、イベントを楽しむことができました。
そして、イベントをご覧になった全ての方、本当にありがとうございました。RTA走者は見られてナンボだと思っています。イベントだけでなく普段から色々とやってますので、もしよろしければ私の配信に遊びに来てください。

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