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一つ一つの言葉に愛を

とある役所の窓口で、声を荒げている利用者さんがいて。どうやら、申請に必要な書類を一切持ってこないで窓口に来たらしい。

それなのに。

「いいから早くしろよぉ!」
「俺は忙しくて一旦戻る時間がねんだよ!」
「なんとかできるだろぉ!やれ!」

あーあー、クレーマーの対応って嫌だよなぁ……そう思いながら後ろに並んでいるイスに座って順番を待ってた私は、十数分後、先ほどのクレーマーがいた窓口に呼ばれた。目の前には、さっきまで理不尽に怒鳴られていたお姉さん。

気持ちを切り替えたのか、いつものことなのか、ケロっとした表情で私の対応をはじめたお姉さん。

めっちゃ説明がわかりにくかったりとか、態度が悪かったりとか。そういう担当者だったら少しはクレーマーの気持ちもわかる(あそこまで声を荒げる気持ちはわかんないけどね)。

でもね。目の前のお姉さん、対応100点満点だったんです。

説明は超わかりやすいし、質問も納得できる答えがかえってくるし、手際も申し分なし。素晴らしい窓口対応をしてくれている。

なのに。あんなに怒鳴られて、周囲に晒されて。なんでこのお姉さんがあんな目にあわなくてはならないのか。

だんだんムカついてきた。私が。笑

だから言ったんです。手続きが終わって窓口を後にする前に、

「説明、すごくわかりやすかったです。ありがとうございました」

ってね。

そしたらさ。「ありがとうございます、良かったです」ってお姉さん笑ったんだけど、その笑い方が歪んでて。

ホッとしたような、ちょっと泣きそうな……ってのが垣間見える笑い方だった。

だからこそ、伝えて良かったなぁ……と思うと同時に、まだあそこで働いてるかなぁ、と思いを馳せる数年後の自分が今このnoteを書いてます。

少しの言葉が誰かの明日を生きる糧になるかもしれないじゃん

あのお姉さん。直前に受けたダメージのせいで「仕事辛い」「もうやめたい」「私はダメな人間なのかもしれない」なんて思いながら私を窓口に呼んでいたとしたら。

あんなに素晴らしい窓口対応をしている反面「つらい、つらい、つらい」と思っていたとしたら。

だとしたらよ。去り際に私が伝えた言葉によって「頑張ってみようかな」って前向きになれたかもしれないじゃん。

帰宅してから少しはマシな気分でお風呂に浸かれたかもしれないじゃん。

それって、自分が発した言葉によってお姉さんの明日を明るいものに変えたかもしれないってことじゃん。

つまり、少しの言葉が、誰かの”明日を生きる糧”になるかもしれないじゃん、ってことじゃん!

……じゃんじゃんじゃんじゃん言ってますけども。笑

何が言いたいかっていうと、自分が発する言葉に愛を持つ人が増えたら、もっと優しい世の中になるんじゃないかってこと。

こう言うと壮大すぎるけど、少なくとも自分の周りの世界は優しくなると思うんだよなぁ。

なかなか難しいけどねぇ。一つ一つの言葉に愛を持つって。

でも、意識するのとしないのでは全く違うから!天と地の差ぐらいあるから!

縁もゆかりもない窓口のお姉さんだけど、今も元気に働いてるといいなぁ、と思う今日のsawaでした。


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