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今インドネシアで起きてること

 昨日、一昨日とインドネシアの各地でデモがあった。日本ではあまり報道されていないし、これを知ればインドネシアに興味が出るかなと思い投稿することにした。

 おそらく日本で報道されているのはパプア州で起きているデモではないかと思う。死者約30人の被害が出たし、家が焼かれているのも報道を通じて目にした。しかし別のあらゆる地域でもデモは起きている。それとパプア州のそれとは発端が違う。そこで今回は2つのデモの実態を伝えようと思う。

1. パプア州のデモ
 パプア州のデモが一番大きく、前から騒がれていたことで、被害も一番大きい。発端はパプアに住むパプア出身ではない高校教師が生徒に対して「サル」と呼んだことだとされている。しかしこれはネットの情報で今ではウソらしい。

パプア デモ

 こんなネットのデマが死者約30人出すなんて…

2. その他地域におけるデモ
 これは主に若者、大学生を中心にして行われたデモである。ジャカルタでは死者が出たり、僕の住んでいるバンドンでも昨日と一昨日で大学生のパレードが見れた。また、大学でも結集会が開かれるなどかなり大規模になった。僕はそれを見れなかったし、もちろんだが夜にパレードがあったのも行かなかった。(実際にバンドンではけが人が出たのだとか)

 話を戻そう。これの事の発端はKPK法の改正とその他刑法の改正である。その他刑法についてはここでは述べないがKPK法改正について説明したい。

 KPK法(Komisi Pemberantasan Korusi)は、インドネシアの汚職捜査機関であり、政府機関の蔓延する汚職を撲滅しようとしておかれた機関である。今回のKPK法改正は議会の上流政治家の意見が大きく反映していることから忖度が働いているとして、学生を中心にデモが起こった。
 そもそもKPK(汚職捜査機関)ってそんなすごいん?って思った方いるかもしれないが、とてもすごい。2004年から15年の間に彼らが摘発した汚職は実に400人超!!内訳で言えば、
大臣・政府機関トップ…23人
国会議員…57人
中央銀行の幹部…8人
州知事…18人
市長・副市長46人
選管幹部…7人
大使4人
司法関係者…41人
政府高官…120人
地方議会委員…100人
である。それも検挙者の控訴後の有罪率は100%というから驚き。
 そんな機関を政府がいじろうとしているのだからKPKの力は以前より弱くなると考えられる。そうすると98年から民主化を進めてきたインドネシアにとって大きなストップがかかってしまう。
https://www.jakartashimbun.com/free/detail/49575.html
上の記事はジャカルタ新聞のURLだが、ここでも「民主化の後退」と題打っている。

 下の画像は留学先の大学での決起会みたいなもの↓↓

ITB決起集会

3. 自分の推測とまとめ

 そしてここからは僕の憶測だがおそらくまぁまぁ信ぴょう性はあると思う。というのも何人かのインドネシア人に政治のことを聞いていたから。

 今のジョコウィドド政権ではインフラ整備だの首都移転だのKPK法改正だのかなり変革を試みているが、インフラ整備についても国民の意図とは違うし、首都の移転先にも国民からの反対が多い。こういううっぷんが溜まってKPK法改正があったからデモが起きたのではないだろうか、というのが僕の意見。
 とは言っても10人のインドネシア人に聞いたわけでもないし、深く話したのも数人なのでまだまだ知識は浅いけどそれでも伝えられることは伝えようと思った次第である。

 こういう真面目な会話をできる現地の学生も数人しかいないってのが寂しい…もっと自分から積極的に話題を持ちかけるべきですね。

 まとめると、インドネシアではデモが二つ行われており、パプア州のデモが人種差別によるもので、その他の地域のデモはKPK法改正やその他刑法改正によるいわば政治的側面から生まれたものである。


 どうだろうか。ざっくりとでも知ってもらえただろうか。民主化、首都移転、人種差別、宗教問題、政府の汚職、資源大国と色んな要素を抱えており、変革の時期にあるインドネシア。今後の動向に目が離せない。

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