ロンドンブーツの恋人(芸人さんで歌詞を書く)
<ロンドンブーツの恋人>
1.
映画のような靴を履き
見たこともない楽器を抱え
笑いものになるたびに
きみの笑顔は消えていく
私の部屋に入れたのは
クラウン崩れのジャン・バルジャン
ロンドンブーツを脱がせれば
傷まみれの素足
逃げていいよと言えなかった
逃げるなと叫んで私も泣いた
やっときみがスニーカーを履いて
電話番号を変えた日に
2.
お客のいない靴屋の隅で
ロンドンブーツを見つけた日
ヒールの横から覗き込んだら
あの日のふたりがそこにいる
逃げていいよと言ったなら
きみは最後まで逃げなかったろう
勇敢な愚者の特攻に
私の胸は今もたかぶる
・
逃げていいよと言えなかった
逃げるなと泣いて嘘を叫んだ
魂を捨ててきみを救って
嫌われ者の英雄になれたらよかった
逃げていいよと言えなかった
きみに優しくできなかった
私のドアの内側に
ロンドンブーツは置かれてる
※
「芸人さんで歌詞を書く」は、私の好きな芸人さんのコンビ名やトリオ名などを元にイメージを膨らませて歌詞っぽい文章を書く、という試みです。
実在の芸人さんやその特性・芸風などとは一切関係ありません。
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