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選択理論がよくわかる本の紹介マガジン

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グラッサーの選択理論心理学がわかりやすく、理解しやすくなる本を、広く紹介していきます。本の著者が選択理論を知っているかどうかにかかわらず、いろいろな人が表現のしかたは異なるものの…
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「グラッサー博士の選択理論」の紹介-選択理論心理学の基本書-

選択理論がわかる本の紹介#1 初めに、選択理論とは この本は、ウィリアム・グラッサー(米国の精神科医。1925~2013) が提唱した選択理論心理学の「母なる書」といわれる一番の基本書です。 原本の題は「選択理論」(Choice Theory)。 初めての人は、「選択理論」という言葉を見ただけで、「難しそう」「何か、よくわからない」と感じるかもしれません。 選択理論のセミナーや勉強会に出ると、「選択理論」という用語が飛び交っていますが、初心者には、何のことか分らず、「

書評「ビジョン・ロードマップの法則」ーまさに上質世界の願望のイラストアルバム‼【選択理論を何でもありで学ぶメルマガ(7号)】

2024年は年明け早々、大波乱の連続でしたが、今年も選択理論を心の土台として、力強く、けなげに、そして、しぶとく生きていきましょう。 さて、今回の「選択理論を何でもありで学ぶメルマガ(7号)」は、【書評「ビジョン・ロードマップの法則」ーまさに「上質世界の願望のイラストアルバム」】です。 本書「ビジョン・ロードマップの法則」は2023年12月に出版された新刊書です。著者(藤野公子氏)はグローバル企業の「バリキャリ」のウーマンを経て、現在は大学の客員教授や講師、企業での修講師

書評「発達障害と間違われる子供たち」-睡眠という生存の欲求を十分満たせば子供の脳は成長し行動が安定する‼【選択理論を何でもありで学ぶメルマガ(6号)】

本書の概要、「発達障害もどき」について この本の著者(成田奈緒子氏)は子どもの脳の発達による問題に向き合ってきた臨床経験35年以上の小児科医であり、脳の発達の研究者でもある。 近年、発達障害と呼ばれる子どもが劇的に増えている。幼稚園や学校で、「あの子も、この子も発達障害?」という風潮がある。 発達障害が疑われる子供の行動として、落ち着きがない、先生の話を無視して歩き回る、みんなと同じ行動ができない、気が散りやすい、順番をがまんできない、集団行動ができない、ミスや忘れ物が

書評「一生折れない自信がつく話し方(青木仁志著)」→幸せな能力開発に選択理論の活用を集大成【選択理論を何でもありで学ぶメルマガ(5号)】

この本の「おわりに」に、この本は「一生折れない自信のつくり方」シリーズの集大成の本であり、「60代の半ばでこの本を出すことができた」という著者(青木氏。以下「著者」は青木氏を指す)のコメントがある。一読しただけではわかりにくかったが、「自分と周りの人の幸せにつなげられる話し方」という能力の開発に選択理論心理学を活用した本、として複数回読んだら、この本の値打ちとすごさがわかった。選択理論の学習者の方には、ぜひ、本書を読まれることをお勧めします。ロールプレイの参考になる箇所もたく

書評「セルフケアの道具箱-伊藤絵美著」-選択理論と認知行動療法を比較できるチャンス本‼-【選択理論を何でもありで学ぶメルマガ(4号)】

辛さを和らげる100 のワークをまとめた、ありがたい本 認知行動療法の人気カウンセラーである伊藤絵美さんの「セルフケアの道具箱」は、ストレスの辛さを和らげ、ストレスと上手に付き合うセルフケアのための100 のワークをまとめた本です。 この本の目次は、 となっています。この目次からはわかりにくいですが、この本は、「認知行動療法」 「マインドフルネス」「コーピング」「スキーマ療法」などの理論や手法について、「セルフケアのためにふだん使いしたい人」の立場から、エッセンスを抽

「私のカウンセリング」(選択理論のロールプレイ集Ⅰ)-コーチングにも役立つ珠玉の質問があちこちに!【選択理論を何でもありで学ぶメルマガ(3号)】

選択理論がよくわかる本の紹介#9 【選択理論を何でもありで学ぶメルマガ(3号)】では、「私のカウンセリング」(選択理論のロールプレイ集Ⅰ)」(柿谷正期著 NextPublishing Authors Press)を紹介します。 この本は、日本における選択理論心理学とそれに基づくカウンセリング(リアリティセラピー)の第一人者による8本のロールプレイ(20分、30分程度のもの-動画も公開されている)を文字起こししたものです。 DVの被害者などのマイナス状態のカウンセリング領

「人を動かすナラティブ」という新刊書。コーチやカウンセラーの「世界観が変わる一冊」が出ました。

コーチ、カウンセラーの方の「世界観が変わる一冊」が出ました。今回は「人を動かすナラティブ」(大治朋子著 毎日新聞出版 2000円税別)についての私の書評です。 「ナラティブ」という日本人には意味が分かりにくいカタカナ英語で、日本では「心理療法」という「周縁」で使われていたにすぎない用語が、世界では、現代と未来、AI時代のとてつもない「中心のキーワード」になっていることがわかりました。 ナラティブは、筆者によれば、「物語」「語り」「ストーリー」という、それぞれの日本語が持つ

「勝間式超コントロール思考」ー仕事も生活もここまで自由にセルフコントロールできる!!  究極の「選択理論実践本」

勝間和代さんは、選択理論を学んで実践されている著名人のお一人です。 ご本人いわく、自由の欲求と楽しみの欲求が、飛び抜けて高いとのこと。 自分のことは全て、自分が一番好きなようにセルフコントロールしたい人であり、逆に言えば、人から束縛されたり、他人からコントロールされることが大嫌いな人です。 私が、この「勝間式超コントロール思考」という本を読んだ印象は、 というものです。 最近よく、「人が最も幸せを感じられるのは、自分が自分の人生をコントロールできている感覚が持ててい

「ウイリアム・グラッサー 選択理論への歩み」-選択理論学習者には最重要な伝記本

選択理論がよくわかる本の紹介#8 「グラッサー博士の選択理論」を超える? 選択理論の全体像がわかる重要な本選択理論とリアリティセラピーを学ぶ人にとって、この本は、4回、5回と、精読すべき、もっとも重要な本だと思います。他の本も同じでしょうが、この本は、特に、読むたびに新しい発見があるでしょう。ぜひ、細かいところまで、精読してください。 私にとっては、選択理論を客観視でき、「神は細部に宿る」ことを感じさせてくれる本でした。 著者のジム・ロイは、グラッサーとの5年間にわたる

「警告!」-精神病は選択理論のカウンセリングだけで改善する-という大胆な主張以外に、選択理論学習者には2つの点で大切な本です。

選択理論がよくわかる本の紹介#7 上では本の価格が7651円になっていますが、定価は2640円(税込み)です。 日本人的に「書名」で損をしてる感もある名著① グラッサーはこの本で「精神病は、患者の大切な人間関係が回復し、本人の基本的欲求が満たされれば、薬を使わなくてもよくなる」と主張してます 精神医療では、医師はすぐにドラッグ(薬剤:抗うつ剤、抗不安薬、抗精神病薬、など)を処方しますが、患者にとって、これらの精神薬の怖さ、弊害を強い調子で警告するというのが、本の題名の由

「クォリティスクール・ティーチャー」生徒を強制せず、質の高い学びを促せるリードマネジャー教師になる方法の本

選択理論がよくわかる本の紹介#6 「生徒が成功できる学校」の先生は教室でどんなマネジメントをしているのか? について書かれた本ウィリアム・グラッサーが提唱した「選択理論という内的コントロール心理学」の考え方をベースにした学校は、クォリティスクールと呼ばれます。 そこでは、生徒が学校や教師を好きになり、生徒は、主体的に行動することを促され、主体的に学んで成長していけるという、いわば、「生徒が成功できる学校」です。 クオリティスクールでは、教師の命令や指示があるわけではなく

「テイクチャージ-選択理論で人生の舵を取る」の紹介-選択理論を自分が使うための本-

選択理論がよくわかる本の紹介#2 1、「テイクチャージ」の位置づけと特色①「選択理論を自分が実践するために」という視点で書かれた本 本の原題は、「あなたの人生は、自分で引き受けなさい(管理しなさい、担当しなさい、面倒を見なさい、等)」(Take Charge of Your Life)というところかなと思います。 副題は、「選択理論心理学を使って、あなたが必要とするものを手に入れる方法」(How to Get What You Need with Choice Theo

「リアリティ・セラピーの理論と実践 」-選択理論にもとづく本人のセルフコントロールを、カウンセラーが手助けする本

選択理論がわかる本の紹介#5 「リアリティセラピーの理論と実践」の秘密?この本の原題は「Using Reality Therapy」で、「リアリティセラピーを使う」とか「リアリティセラピーの実践」という意味だと思います。 グラッサーが開発した心理カウンセリングであるリアリティセラピーについて、その実践やセミナー、トレーニングの第一人者であるロバート・ウォボルディングが書いた本で、ちょっと古い(1988年)ですが、リアリティセラピーの考え方や方法、注意点や事例など、くわしく

「15人が選んだ幸せの道―選択理論と現実療法の実際」

選択理論がよくわかる本の紹介#3 1、「15人が選んだ幸せの道―選択理論と現実療法の実際」はどんな内容の本かこの本の原題は「リアリティセラピーの実際」(Reality Therapy in Action)というところでしょうか。 グラッサーによる選択理論を使ったカウンセリング(リアリティセラピー)の実際のやりとりを、15人の事例について、物語風に展開する読みやすい本です。 グラッサーが、クライアントによりよい選択をしてもらうために、カウンセリングにおいて、どのように介入