見出し画像

【野球】ユニコーンはどこへ向かうのか

日本もアメリカもポストシーズンが終了し、オフシーズンに突入した。
各チーム来季以降の戦力補強に向けて選手の移籍市場が活発になってくる季節である。

ここでは全世界からその去就が注目されている大谷翔平の移籍先について、今候補に上がってるチームから可能性が高いと思われるチームについて球団、大谷双方のメリットデメリットも踏まえながら考えていきたいと思う。

まず大谷翔平を獲得する事についての球団のメリットとデメリットを考える。
◯メリット
・先発ローテの1or2番手、主砲の枠が埋まる。
・球場動員数、グッズ収益、スポンサー収益の大幅な増加。
・球団自体のメディア露出の増加。↑とも繋がってくる。
●デメリット
・巨額な年俸の支払い。→野手分と投手分の給料が必要になる。
・二刀流ゆえの故障リスクの増加。→故障となるとローテ1枚、主力打者を一気に失う可能性がある。
・DHのポジションを大谷が独占する為、他の主力を休養がてらDHで使うという起用が出来なくなる。
・チームバランスを大谷中心に考えなくてはならなくなる。

こう考えるとメリットだけでなく、しっかりデメリットもある。圧倒的な能力の高さゆえ、戦力としてのプラスは間違いないが、離脱した際のマイナスも同時に大きくなる。そして、大谷自身がプレーする事が大好きで休まない性格の為、そのコントロールが非常に難しい方の選手だとは思う。

そして大谷が求める条件は「チームの強さ」。
ポストシーズンで戦う事はかねてよりの悲願であり、その想いはWBCで短期決戦の痺れる戦いを経験し、より強まったように思える。
年齢的にも円熟期にあるうちに最高峰の戦いの舞台で戦う彼を見たいというのは誰もが思う事だろう。
大谷を獲得するには前例のない巨額な年俸を支払えるだけの資金力とコンスタントにポストシーズンを狙えるだけのチーム力(大谷頼みではなく、彼がいなくても一定の強さがあるチーム)が求められる。
そうなってくると必然的に獲得出来るチームは限られてくるのだが、ここからメディアに名前が挙がってるチームを中心に考えていきたいと思う。

まず、東海岸ではニューヨーク・ヤンキースとニューヨーク・メッツの名前が挙がっているが、これはどちらも可能性は低いと思う。
ヤンキースの伝統のピンストライプに身を包んだ大谷を見たいという意見も多いが、そもそもヤンキース自体が他のチームに比べ積極的でないように見える。
メッツは今MLBイチの資金力があり、年俸はどこまでも出す事がら出来るが、今年、優勝を狙いに行く為の大補強をしたにも関わらず惨敗し、シーズン途中でその主力を放出するというチーム解体を行なっている。その際にチームを再建し、2025年頃の優勝を狙いにいくとの報道もあり、来年をコンテンダー(優勝を狙えるチーム)として過ごすのか、再建期に入るのかがまだ見えない所もある。メッツは大谷よりも山本由伸の獲得に力を入れているという報道もある。

そして、東海岸より西海岸の方が気候や時差の関係から日本人にとって過ごしやすいと言われている所、大谷が通っているデータ解析施設の「ドライブライン」がシアトルにある事、大谷の今の居住や主治医の事も考えての負担を考えると西海岸チームの可能性が高いのではないかと思う。

そうなると西海岸チームなのだが、まず、エンゼルス残留。これはほぼ無いと考えてる。
もちろん、大谷自身もチームやアナハイムへの愛着があると思うが、今季エンゼルスはポストシーズンを狙いに行く為に買い手に全振りしたが、全くと言っていい程マネジメントが上手くいかず、そこで獲得した多くの選手はFA、その際のトレードで有望若手も大量に放出した為、チームの将来性を見るファーム組織ランキングでも下位になるという厳しい状況。資金力的にも大谷、トラウト(あとレンドーン)を抱えてると他の大物が獲れず、結局今年と一緒の大谷頼みになってしまうという所を見るとチームへの愛着だけで残るのは非常に厳しいと思う。
ワールドシリーズ終了から5日間は所属チームのみ独占交渉権があるので、これを書いている今朝7時までがその期限だったのだが、エンゼルスとの再契約が決まるならその期限内だろうというのが大方の予想だったので、今もその発表がないと言う事はエンゼルス残留の可能性は極めて低くなったと思う。

次に同一リーグでいうとテキサス・レンジャーズとシアトル・マリナーズ の名前が挙がっている。
レンジャーズは今年のワールドシリーズチャンピオンであり、獲得に積極的との報道もあるので一定の可能性はあると思う。マリナーズ はシアトルという街が日本人にとって過ごしやすい事、大谷がMLBで壁にぶつかった時に密かに相談に行ったというイチローの存在(帰りにしっかりユンケルを貰ったというエピソードも大好き)も大きいと思う。しかしながらマリナーズ は投手力は豊富であり、投手大谷はさほど必要としていない。長打力不足解消の為に他のトレードなどでフアン・ソトなど他の強打者を取るべきという意見もある。
エンゼルスに残留とはいかなくても、その愛情から同一リーグへの移籍がそもそも無いのではと言われてもいる。

そうなってくるとナ・リーグの西海岸チームになってくるのだが、ここでは3チームの名前が上がる。
まずサンディエゴ・パドレス。ダルビッシュ有が所属し、その他もスーパースターが多く在籍する銀河系軍団。大谷は元々MLBに移籍する際、日本人がいない球団を条件に挙げてたそうだが、ダルビッシュとなるとそこの心配はないと思われる。来季も含め、向こう数年間の戦力的にも大きく低迷する事は考えにくい。しかしながらパドレスはこのオフ資金を抑える動きをするのではという報道が先日あり、その為に主力の1人、フアン・ソトをトレードに出すのではという事も言われている。そうなってくると莫大な資金を要する大谷獲得は考えにくくなる。
次にサンフランシスコ・ジャイアンツ。戦力的にも安定しており、二刀流選手の育成にも力を入れているという事から、そもそも二刀流に対して理解が深いのと、二刀流選手としてこれ以上ないお手本の大谷を獲得する事はチームにとって大きなプラスである。昨年、ジャッジやコレラというスターの獲得を試みるも失敗している事から、チームの顔となる大スター大谷は欲しい所だろう。
最後に大本命と言われるロサンゼルス・ドジャース。
大谷の居住がロサンゼルスなので引っ越しもいらないので生活リズムを変える必要がない。資金力があるチームにも関わらず去年大きな補強を行わなかった。これは翌年に大谷を獲得する為に資金を置いておいたのでは言われており、DHのポジションのマルティネスとは1年契約の為、DHのポジションにも空きが出来る。そして何より大谷の主治医がドジャースのチームドクターであるという点も大きい。これだけ聞くとドジャースで決まりなのではと思うが、ドジャースは今季途中に左のエースのウリアスがDVで逮捕、事実上の追放となっている。その他にもレジェンド左腕カーショーが先日肩の手術を発表し、復帰は早くとも来季後半になると言われている事や他の故障者などもおり、ローテーション投手が超若手以外ほとんどいない。大谷は来年投手としてのプレーが難しいので、優先順位的にこちらも投手、何なら山本由伸や今永の方を取った方が良いという声も多い。
しかしながら大谷がそもそもMLB移籍を発表した際、熱心だったのがこのドジャースという報道もあるので、大谷の獲得は長年の悲願でもある。

上記の大谷のMLB移籍の際、他に興味を示していた球団としてマリナーズ 、レンジャーズ、ジャイアンツも名前が挙がってた事から、やはりドジャースを含めてこの4チームの可能性が高いのでは思っている。ただ大谷が故障して来年は投手としてのプレーが出来ず、リハビリをしながらというのを考えた時に、環境を変えずエンゼルスに短期契約で残留という事も可能性としてはまだある。


個人的にはア・リーグはマリナーズ 、ナ・リーグはドジャースを応援してるのでこの2チームで、フリオ・ロドリゲスやムーキー・ベッツ 、フレディ・フリーマンと並ぶ大谷を見たいし、何ならドジャースが山本由伸と両獲りとなっても非常に嬉しい。再来年MLBは開幕戦を日本で行う事を発表しており、恐らく大谷がいるチームが来日すると思うので、マリナーズ やドジャース、あとはパドレスの銀河系軍団のプレーを日本で見たいなぁとも思う。

いずれにせよ、どこにいてもこの同時代を生きる伝説のスターの活躍を楽しみに目に焼き付けていたいと思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?