オアシス


今日は酔っている。飲んだ酒は一杯だが。
そう思わないとあまりにも惨めで自分が薄汚い人間だと自覚してしまうから、酔ったことにしている。

繰り返し、だけど少しずつ溜まっていく疲労を明確に感じながらこなす毎日の中で明らかにそれは異質だった。
砂漠の中に見つけたオアシスとでも言うのだろうか。安い例えしか出てこない自分の語彙力にほとほと呆れながらも今はそれしか出てこない。これも酔っているからだろうか。それに、本当にオアシスだったのだ。もちろん水が溜まっているわけではなく、あそこまで行けば助かるといった最後の気力を湧き出させる目印だったのだ。
それに、幻想といった意味も含まれているからこそなおのことだ。
自分で埋めてしまったのだ。そのオアシスを。
頭がおかしくなったとしか言いようがない。オアシスに辿り着けたが、そのときには既に頭がやられていたのか。気がつくと水分など元々無かったと言わざるを得ない白い砂が広がっていた。

このまま自分の愚かさを懺悔しようと思った。
しかし、あまりにも生々しすぎる自分の感情を誰が読みたいのか。酔ってるはずなのにな。
頭がやられてたからそんなことしたんだよな。
本当にそうなんだよな。
吐き気をもよおす。
自分の芯を知ったからだろうか。
酔っているからだろう。
飲んだ酒は一杯だが。

お読みいただきありがとうございました

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