R-1グランプリ2021 徒然

芸歴10年までの制限にルール変更になったR-1グランプリ2021

R-1グランプリがM-1やキングオブコントと違うところは、ピン芸人という制限ために、漫談であろうが、コントであろうが、フリップ芸であろうが、落語であろうが、歌ネタだろうが、ジャンルはなんでもよいバトルロイヤルな大会だということ
故に審査が非常に難しい大会になる
お笑いは好き嫌いだからどうしても意見がわかれる

戦場にピストルで戦いに来るのか、マシンガンで戦いに来るか、はたまた刀で戦いを挑みに来るのか?結局どの戦い方が好みかってことになる

また一人ということで、ボケだけが存在していて、ツッコミが不在だったり、フリップなどの別のものにボケさせて、ツッコミをみせるという、漫才より役割が一つ足りない芸である。
なので、ボケよりの芸だと見ている人にツッコめるセンスがないと笑えない。ツッコミ芸のようになると、ボケを本人が作っているという矛盾が見えてしまうと笑えない。ストーリー寄りのネタでは3分は短すぎる。
と、なかなかハードルが高いのである
見る側にセンスや想像の補完がないと笑えない
同時に見せることも出来るが、それは落語にように2役や3役になる必要がある
それを超えた芸やシステムがあったら見たいし、見れるかも知れないのがこのR-1グランプリだと思う

①敗者復活マツモトクラブ
なぜ毎回敗者復活なのか不思議で仕方ない。3分で1本のドラマを見ているかのような詰め込み方、見事。芝居の旨さがセリフを最小限にしてくれている。
芝居がうまくない人は、状況説明をついついセリフにしたがる。マツクラのように目線で相手がどこにいるのか、まわりに何があるのか最小限の説明で見えてくる。これが出来るようになると、セリフを詰めたうえでリアリティを出せるようになる。
今回はその芝居のナチュラルさを利用したネタバラシと後半の回収。笑いどころが少ないとR-1のようなコンテストでは不利だが、すでに完成された作品。

②ZAZY
オリジナルの世界観のフリップ芸&リズム芸。
最後に4つの音を重ね合わせて歌うシーン、声を出して笑ってしまった。
全然マッチしてないリズム、40点ぐらいの歌唱力。笑うでしょ
発想の飛ばし方と、笑いどころの多さは、3分のネタとかになると強いですね。納得の高得点。
昨年の粗品さんもそうですが、笑いどころが多いということはコンテストにおいて非常に重要な事だなと思います

③土屋
なぜか喋りがトシちゃんになってるという、なんともバカバカしいネタでした。(褒め言葉)
こういうネタはトシちゃんありきのネタになるので、それを抜いた部分でおもろいかどうかと言うのが大事になってくる。話しているネタにもう少し物語性があったほうがいいかなと感じもしたけど、3分だと難しいかな。
あと、トシちゃんの喋りにしたことで、言葉が聞き取りづらくなってしまった。一生懸命聞かないとわからないのは、損する設定選びだったかも知れない。弱虫ペダルの舞台のオマージュみたいなのは、個人的にツボでした。

④森本サイダー
ピンネタをネタにしたネタ。メタフィクション的なネタはわりと評価されづらい。劇場とかではウケやすいけど大きな舞台やテレビにはあまり向いていない。さらに2回めにはそのネタバラシや驚きは通用しないので、何度も見たいという芸になりづらい。なかなか難しいネタチョイスだったかなと思います。
リュックが大きいのは単純におもろいので、そのあたりの被せをもっと見たかった。目に見えている部分だけではなく、バックの中身とか見えない部分にも仕掛けがあったら見たかった

⑤吉住
村の化け物とのストーリー。
独自の世界観で、ジブリのようなキャラクターと、バッドエンドなストーリー。さすがの演技力。
とはいえ笑いどころの数が少なすぎた印象。芝居よりのネタは笑いどころが少なくなりがちだが、もう2~3箇所ほしかった。
分析するなら、非現実な設定が、非現実的な展開を生んでいたので、話に共感するという部分が薄かったと思われる。なのでストーリーの裏切りのところで、笑いがマックスにならないという結果になってしまったと思われる

⑥寺田寛明
英文に独特の訳をつけるフリップネタ
言葉のチョイスに、センスが光る。茶の間のウケもいいしわかりやすい。なんで点数があまり伸びないのかという疑問が残るかもしれない。
フリップは見事だが、読み上げる人が寺田さんでなくてもいいのではないか?という疑問が残る。もちろん彼が作ったのだから、評価されるのは当然だけど、決勝までくると「この人がやっているから面白い」という要素が欲しくなる。
ピン芸に限らず、芸人さんには、作家的面白さとプレイヤーとしての面白さの両方が求められるかなと思います。

⑦かが屋賀屋
電車に乗り遅れた男の悲劇
とても身近な設定。言葉を最小限に表現してあれだけ笑いを取るのだから、すごいなと思います。
個人的にはこぼしたコーヒーが原稿をもっとビチョビチョにしていてほしかった。クリアファイルに原稿を入れて、明らかにコーヒーが入っている生々しい小道具のほうが絶望感が出たと思う。
あまりセリフを喋らないのが美学かも知れませんが、欲を言うならセリフ的な笑いや、感情の変化が後半にあったらよかったなと・・欲張り過ぎかな

⑧kento fukuya
3つのフリップネタ
決勝に行く人はみんなフリップデカいよね。会場全体に見えるようにするのはとても大切なことだなと、改めて思う。
フリップを1つじゃなく3つにすることで見たことのないネタフリを見れたなと思います
オチとしてはわりと正攻法なので、ZAZYの奇想天外なフリップをみた後だとどうしても印象が弱くなってしまう。

⑨高田ぽる子
おじいちゃんの乳首を買いに行くフリップネタ。
2年目としては堂々としていたと思います。無機質なキャラクターが逆に味が出ているように見えます。
フリップ芸のように見えるけど、フリップはあくまで背景や小道具として使っている感じ。笑いを取るのは演者本人というのは、とても珍しい。ただボケ主体のツッコミ不在なので、笑いどころを渡すのが難しいところです。
やす子と同居しているという事実。家に座敷わらしでもいるのでしょうか?

⑩ゆりあんレトリィバァ
なんでもかんでもツッコむオフィスレディ
あるあるな状況から、ないないのパターンになるのは王道。ボケ数も多い。
ストーリー性はないので、ワード勝負のネタですが、笑いどころを提示する笑えるテンポで話すのが上手だなと思います。
若い芸人さんに多いのですが、面白いことを行っているのに、笑えるテンポで話せていないという事が多いです。セリフを気持ちよく笑える言葉数にやスピードにするというのはとっても大事なことです。


もともと大会自体がなくなりかけていたR-1が存在していることに感謝。
2時間じゃなく2時間30分だろというのもわかるけど、プラス30分の制作費はスポンサーが支払わないといけない。そんな簡単な話ではない。
霜降りのお二人のMCが違和感なく溶け込んでいたのも素晴らしい。
最後のネタの振り返りは・・ボケでしょう。そう受け止めましょう。
きっと制作陣も10年未満なのだ。

コントをやるピン芸人もキングオブコントに出れるようになればいいと思う。芝居っ気の強いピン芸人の土俵は、R-1よりもKOCだと思う。

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